2007 Fiscal Year Annual Research Report
幼児期の楽観性育成を支える養育環境と生理的要因の関連
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19530605
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
小花和 Wright 尚子 Mukogawa Women's University, 文学部, 准教授 (80249424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河合 優年 武庫川女子大学, 文学部, 教授 (00144098)
山本 初実 独立行政法人国立病院機構三重中央医療センター, 臨床研究部, 部長 (90416199)
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Keywords | 唾液中αアミラーゼ / 幼児 / 楽観的帰属スタイル / 養育者の楽観性 |
Research Abstract |
本研究では,1)ネガティブイベントとポジティブイベントに対する幼児の帰属・認知スタイルと,養育者の帰属・認知スタイルおよび養育態度の関連,2)日常保育場面における幼児の唾液中αアミラーゼの変化パターンと1)の関連,を明らかにすることを平成19年度の目的とした。幼児26名(測定開始時月齢68ケ月〜82ケ月,平均74ケ月)を対象として,自己の成功場面(前はできなかったが上手にできるようになったこと)と失敗場面(もっと上手になりたいこと)を個別に尋ねた。また,他者の成功場面(なわとびが上手にできる子ども)と失敗場面(なわとびが上手にできない子ども)の話を聞かせて,自己または他者の成功場面と失敗場面について,その原因次元(内在性,全体性,永続性)を質問した。さらに,携帯型測定装置αAmy(ヤマハ発動機)による唾液中αアミラーゼ活性の即時測定を3ケ月にわたり1日4回(登園直後,昼食前,昼食後,降園前)計44回行った。幼児の養育者には,養育者の楽観性(LOT),養育場面での帰属スタイル,感情表出(STAXI)から構成される質問紙調査を行った。聞き取り調査において楽観的な帰属スタイルを示した子どもの養育者は,生活全般に対する楽観的傾向および養育場面での楽観的態度が強く,養育者自身の怒り抑制傾向は低いことが示された。一方,幼児の唾液中αアミラーゼ活性は,低活性群,中活性群,高活性群に分類され,高活性群には,聞き取り調査において自己や他者の成功・失敗を「努力・能力」に帰属させる子どもが多く,低活性群には「他者の応援・援助」に帰属させる子どもが多いことが示された。以上より,養育者の楽観性と感情表出のスタイルは,子どもの帰属スタイルと唾液中αアミラーゼ活性の恒常的な高さに関連する可能性が示された。
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