2008 Fiscal Year Annual Research Report
幼児期の楽観性育成を支える養育環境と生理的要因の関連
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19530605
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
小花和 Wright 尚子 Mukogawa Women's University, 文学部, 准教授 (80249424)
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Keywords | 幼児 / 楽観的帰属スタイル / 養育者の楽観性 / 唾液中αアミラーゼ / 平均活性レベル / 日内変動 |
Research Abstract |
平成19年度には、幼児の帰属・認知スタイル、養育者の帰属・認知スタイルおよび養育態度を調査し、日常保育場面における幼児の唾液中αアミラーゼの継続測定を行った。調査結果より、唾液中αアミラーゼの平均活性レベルにパターンが見出され、日常活動に対する子どもの高い意欲と養育者の楽観性が、唾液中αアミラーゼの恒常的な高さに関連すると考えられた。一方、日内変動については、保育園登園直後が最も高く午前から午後にかけて低下する傾向が認められ、保育園という測定環境の特性による影響が考えられた。また、唾液採取部位によって活性値および日内変動の様相が異なる可能性も考えられた。そこで平成20年度は、家庭において、携帯型測定装置による唾液中αアミラーゼの測定とともに全唾液の採取を継続して行い、保育園における継続測定結果との比較から、測定環境の特性による影響と唾液採取方法による日内変動への影響を検討した。また、そうした影響要因を考慮した上で、幼児の唾液中αアミラーゼ活性における個人差と子どもの帰属・認知スタイルの関連、さらに養育者が認知する子どもの帰属・認知スタイル、養育者の楽観性との関連を分析した。 分析の結果、唾液中αアミラーゼ活性には測定環境の特性による影響は認められなかったが、唾液採取方法による日内変動の違いが明らかとなった。また、楽観的な帰属スタイルを回答した子どもの唾液中αアミラーゼは高く、その養育者の生活全般に対する楽観性は高いことが示された。一方、養育者が認知する子どもの帰属・認知スタイルは子ども自身の回答を的確に反映しているが、子ども自身の回答による楽観性が非常に低い場合、その養育者には自分の子どもの楽観性を高く認知する傾向が示された。
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Research Products
(1 results)