2010 Fiscal Year Annual Research Report
加齢および高齢者に関する知識とイメージを測定するテストの開発
Project/Area Number |
19530607
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
奥村 由美子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 准教授 (70412252)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久世 淳子 日本福祉大学, 健康科学部, 教授 (50221221)
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Keywords | 加齢 / 高齢者 / イメージ / 認知症 / 生涯発達 |
Research Abstract |
本研究では、1.今の日本の実情に合い、学校教育や高齢者への専門的支援、地域での支援活動など様々な場面で使える加齢および高齢者に関する知識とイメージを測定するテストを開発すること、2.加齢や高齢者について教えるための教材を開発し、実際に作成したテストを組み込んだ講義や研修内容を検討すること、を目的とする。高齢者イメージは高齢者に関する知識の影響を受けるため、これまで、Facts on Aging Quiz(FAQ)に手を加えた加齢や高齢者についての知識を測定する項目を検討している。今年度は知識を測定する項目の改訂を行った上で、老人心理学の講義前後に調査を行い、講義受講による高齢者イメージの変化とその関連要因を検討した。その結果、講義受講後には、高齢者の「統合・柔軟性」因子と「円熟性」因子について肯定的な変化が認められた。高齢者とのかかわりとの関連を検討したところ、「統合・柔軟性」因子について、高齢者のことが好きではない場合にイメージが肯定的に変化していた。また、「積極性」因子について、近隣高齢者とのかかわりがそれほどない、親の祖父母以外の高齢者に対する態度に思いやりを感じていない、高齢者との活動をあまり経験していない、高齢者のことが好きではない、という場合にイメージが肯定的に変化していた。これらのことから、これまでに高齢者とのかかわりがあまりないとか、肯定的感情をあまり抱いてこなかったなどの場合には、高齢者の心理的特性を知ることができる老人心理学の講義を通して高齢者イメージが肯定的に変化する可能性が示され、さらなる調査項目の吟味や講義内容の検討の材料となると考えられた。さらに、調査対象が異なっても同様の結果が示されるのかを確認するために検討を続けている。また、老人心理学講義そのものが高齢者イメージに与えることを明確にすることも課題である。
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Research Products
(2 results)