2008 Fiscal Year Annual Research Report
教職志望の大学生の被援助志向性を高めるための介入プログラムの開発
Project/Area Number |
19530609
|
Research Institution | Koriyama Women's Junior College |
Principal Investigator |
田村 修一 Koriyama Women's Junior College, 准教授 (00442020)
|
Keywords | 被援助志向性 / 教職志望の大学生 / 教育実習中の悩み / 会話スキル / 自尊感情 / 達成動機 / 指導教諭 / 職場風土 |
Research Abstract |
二年目にあたる今年度は、教職(小中高の教師)志望の大学生の教育実習場面での「被援助志向性」とそれを規定する要因について検討した。東北地方(私立大A)、関東地方(私立大BC)、中部地方(国立大D)、近畿地方(国立大E)の教育実習を終えた教職志望の大学生(男80名、女220名)を対象に、2008年7月〜2009年1月に調査を実施した。調査手続きは、授業終了後に質問紙を配付しその場で回答を求めた。測定具は、(1)特性被援助志向性尺度(田村・石隈,2006) (2)会話スキル尺度(田村・石隈,2008) (3)自尊感情尺度(Rosenbergの修正版:山本他,1982)(4)達成動機測定尺度(堀野,1987) (5)指導教諭に対する認知尺度(本研究で作成) (6)職場風土に対する認知尺度(本研究で作成) (7)教育実習中の悩み尺度(本研究で作成)を使用した。男66名、女202名から回答を得た(回収率89%)。田村(2008a)の研究において、「被援助志向性」の性差が示されているため、分析は男女別に行った。その結果、男性の場合は「被援助に対する懸念や抵抗感の低さ」に対しては、内的要因の「自己表現スキル」「自尊感情」が正の関連を、外的要因の「教師との人間関係の悩み」が負の関連を示した。また「被援助に対する肯定的態度」に対しては、外的要因の「生徒との人間関係の悩み」が負の関連を、「学級経営の悩み」が正の関連を示した。一方、女性の場合は「被援助に対する懸念や抵抗感の低さ」に対しては、内的要因の「自己表現スキル」が正の関連を、外的要因の「指導教師のP(課題達成)機能」が正の関連を、「教師との人間関係の悩み」が負の関連を示した。また「被援助に対する肯定的態度」に対しては、強い関連を示す内的・外的要因は共に示されなかった。次年度に向けて、当初の研究計画段階で提示していた「被援助志向性を高めるための介入プログラム」案に、今回の調査結果を加味して、現在、プログラム案に改良を加えているところである。
|
Research Products
(6 results)