2009 Fiscal Year Annual Research Report
教職志望の大学生の被援助志向性を高めるための介入プログラムの開発
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19530609
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Research Institution | Koriyama Women's Junior College |
Principal Investigator |
田村 修一 Koriyama Women's University, 家政学部, 教授 (00442020)
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Keywords | 被援助志向性 / 教職志望 / 会話スキル / 自尊感情 / スキル・トレーニング / 事例検討会 / チーム援助 / 大学生 |
Research Abstract |
最終年度の今年度前半は、1年目に実施された首都圏の教職志望の大学生(11名)対象の「教育実習に関するインタビュー調査」のデータを修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて分析した。その結果、教育実習生の被援助志向性を抑制する個人内要因として、「自分で考え解決することへのこだわり」や「自己責任の考えの強さ」が示された。また、教育実習生の援助要請行動に大きく影響する環境要因として、「指導教諭」の存在と実習校の「職場風土」が示され、促進要因にも抑制要因にもなることが分かった。 今年度後半は、教職志望の大学生の被援助志向性を高める目的で、10名の実験協力者に対して「介入プログラム(会話スキル・トレーニングおよびチーム援助成功事例検討会)」を約3ヶ月間(90分×全12回)かけて実施した。そして、その効果を検証するために、介入実験前後に測定された「特性被援助志向性尺度」の得点および自由記述式回答票を比較分析した。その結果、実験群の介入後の自由記述式回答票では、「会話スキルの重要性がわかった」「今後も常に意識しながら会話スキルを磨いていきたい」「チーム援助の効果を知ることができて良かった」「優れた教師の教育実践を知ることができて良かった」「教師になったときに今日の授業で学んだことを活用したい」など、実施された介入プログラムの内容に対する好意的な意見が数多く寄せられ、介入プログラムの学習の意義を実感していた。しかしながら、実験群の「特性被援助志向性尺度」の得点では、介入前と介入後の比較(対応のあるt検定)において平均値に有意差が認められなかった。また、統制群(15名)を対象にした「特性被援助志向性尺度」得点との比較(t検定)においても、実験群と統制群の間には、介入前・介入後のいずれの尺度得点の平均値においても、有意差は認められなかった。
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Research Products
(6 results)