2007 Fiscal Year Annual Research Report
児童期における自己制御学習に向けた授業と家庭学習のシステム
Project/Area Number |
19530610
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Research Institution | Mukogawa Women's University Junior College Division |
Principal Investigator |
藤谷 智子 Mukogawa Women's University Junior College Division, 幼児教育学科, 教授 (90199349)
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Keywords | 教授学習過程 / 自己制御学習 / メタ認知 / 適性処遇交互作用 |
Research Abstract |
本研究の目的は、児童に工夫した復習と予習を児童に課し、それらを授業と関連づける学習指導によって、自己学習の力や態度とともに、授業内容を日常生活や他領域での学びと関連づけるメタ認知の獲得を促して、その効果を実証することである。平成19年度は、5年生3クラス計119名を対象に、算数において復習としての宿題を課して学習指導を実施した。手続きは、事前の適性の測定(学力テストと、メタ認知・学習に対する考え方についての質問紙)→Phase I:メタ認知的知識を重視した復習プリントを課す学習指導実施→事後の学力の測定→Phase II:自己学習による復習を課す学習指導実施→事後の測定(学力測定・事前と同様の質問紙・復習プリントに関する自己評価)である。 主な結果は次のとおりある。1.事前のメタ認知について:因子分析を行った結果、メタ認知を適性として扱うことの妥当性が確認され、適性として用いることとした。またメタ認知の高・中・低の3群に分類したものも用いることとした。2.Phase I後の学力に及ぼすメタ認知と学習指導の効果:事後の学力テスト得点を従属変数として重回帰分析を行ったところ、メタ認知の主効果は得られたが、学習指導の効果や交互作用は得られなかった。しかし、事後の思考力得点(複数の解き方を工夫するなど)については、メタ認知とともに学習指導の主効果が得られた。3.Phase II後の児童の学習態度の変化:事後の質問紙において、宿題プリントがどのような変化をもたらしたかを児童に尋ねた項目のうち、「プリントをやって、もっと勉強をしようと思った」について、統制群ではメタ認知の効果は得られなかったが、学習指導群ではメタ認知の高い子ほどそう思うという結果が得られた。単なるドリルではない復習のあり方が、児童の学力や学習態度にある程度の変化をもたらすことが示された。
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