2008 Fiscal Year Annual Research Report
超高齢期の心理的適応モデルとしての老年的超越の解明と測定尺度の開発
Project/Area Number |
19530611
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
権藤 恭之 Osaka University, 人間科学研究科, 准教授 (40250196)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 龍太郎 財団法人東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所, 研究部長 (20150881)
増井 幸恵 財団法人東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所, 研究員 (10415507)
河合 千恵子 財団法人東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所, 研究員 (00142646)
呉田 陽一 昭和大学, 富士吉田教育部, 講師 (60321874)
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Keywords | 老年的超越 / 超高齢者 |
Research Abstract |
本研究は、超高齢期に生じると考えられる老年的超越(gerotranscendence)と呼ばれる精神的発達のプロセスを解明するための測定尺度の開発を目的としている。本年度は、昨年度に行った構成概念の検討の継続および、昨年度末から本年度前半に行った、身体機能に障害のある超高齢者に対するインタービューの結果から、老年的超越を評価するための尺度項目41項目を設定した。次に、地域在住の85歳以上超高齢者(170名)および比較対象である70歳代までの高齢者(350名)を対象に調査を行った。実施した項目は、41項目の尺度項目以外には幸福感、うつ感情、および身体的虚弱に関する評価尺度であった。そして、項目の因子構造、信頼性および同時に測定した他の変数との関係から妥当性の検討を行った。 その結果、7つの因子が確認された。因子ごとの信頼性は.48〜73とばらつきがあった。各因子の因子得点と関連尺度の関係を確認したところ、それぞれ、年齢、幸福感との関連は因子ごとに異なっていた。特に、身体的には虚弱でありなが、幸福感が高かった一群に関しては、3つの因子(それぞれ、社会的マスク、孤立の再評価、我を捨てる)で得点が高いことが確認された。また、項目ごとに年齢および身体的虚弱を調整した後の幸福感との関係を検討した結果、14項目が超高齢期の虚弱に対する適応と関連することが示された。これら2つの方法で確認された項目が、老年的超越の中心的な項目ではないかと考えられた。
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Research Products
(10 results)