2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19530617
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
村瀬 聡美 Nagoya University, 発達心理精神科学教育研究センター, 准教授 (30335020)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 一史 名古屋大学, 発達心理精神科学教育研究センター, 准教授 (80345876)
石井 卓 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (40273239)
小石 誠二 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (20338734)
本城 秀次 名古屋大学, 発達心理精神科学教育研究センター, 教授 (90181544)
村上 隆 中京大学, 社会学部, 教授 (70093078)
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Keywords | 自傷行為 / 身体症状化 / ストレス性幻覚 / 親子関係 / 解離 |
Research Abstract |
本研究は、児童青年の呈する様々な心理学的・精神医学的問題を解離傾向および親子関係という観点から捉えようとする研究である。本年度の研究実績のうち、雑誌論文について言及する。第一に、一般青年を対象として、侵入記憶の有無と内容を尋ね、同時にその侵入性の強さについて、加えて思考抑制、反すう傾向、解離傾向等個人の回避特性について調べた。その結果、約半数がネガティブな侵入記憶を体験しており、解離傾向は、侵入記憶の侵入性の強さに、独立して影響を及ぼしていた。過去のトラウマ体験に苦しむクライエントへの心理的介入に際して、解離傾向の高さにも注意する必要が示唆された(Yoshizumi, et al., 2007a)。第二に、一般青年を対象として、幼少期から思春期にかけての親子関係、ストレスへのコーピング特性、解離傾向との関連を調査した。その結果、男性においては、過保護な養育態度が解離に影響を与えており、女性においては、一貫性のない養育態度、回避的コーピングが解離傾向に影響を与えていた。解離症状を呈する患者に対して、適応的なコーピングを扱う介入プログラムと共に、親の養育態度を査定しアプローチしていくことの重要性が示唆された(Yoshizumi, et al., 2007b)。第三に、一般中学生を対象として、自傷行為の実態調査と解離、抑うつ、怒り等の精神病理との関連性を調査した。男女ともに自傷行為との関連が最も強いのは解離傾向であった(濱田ら,2007)。第四として、これまでの子どもの幻覚に関する研究をもとに、子どもの幻覚について症例を用いてわかりやすく解説するとともに、子どもの幻覚と解離との関係について触れ、どのような場合に、精神科受診が望ましいかという対応についても言及した(村瀬、印刷中)。 最後に、本年度は、本研究に関する学会発表も数多くされているが、順次、論文化していく予定である。
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Research Products
(16 results)