2008 Fiscal Year Annual Research Report
心理臨床家の相互学習を活性化する「対話の場」の設計とその効果に関する研究
Project/Area Number |
19530620
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
花田 里欧子 Kyoto University of Education, 教育学部, 講師 (10418585)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 雅史 国立情報学研究所, 助教 (50390597)
古山 宣洋 国立情報学研究所, 准教授 (20333544)
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Keywords | 臨床心理学 / 情報学 / 家族療法 / リフレクティング・プロセス / コミュニケーション / 身振り / ジェスチャー / 心理臨床家養成 / 心理臨床家 |
Research Abstract |
本研究は、臨床家が「対話の場」を設計する際に、どのような技を適用しているのかを、明らかにするものである。熟練した臨床家の技には、どのようなコミュニケーション・パターン(対話の行い方の様式)が存在するのか、ということについて、初心の臨床家との比較・検討を行う。本研究が提示する「対話の場」の設計のための方法論は、以下のようにまとめられる。1)対話データの整備:「相互学習」における対話場面の映像音声を収録し、熟練した臨床家と初心の臨床家の比較から、対話データ(言語的・非言語的に関する資料)を整備する。2)対話分析:臨床心理学および情報学(情報科学・認知科学)がそれぞれ志向する対話分析の手法を併用することによって、熟練者の技に関わる対話を検討し、技の記述・予測を行う。3)学習者への還元:2)で得られた知見を「相互学習」の実践に適用し、その効果を評価する。それを受けて、1)に戻り、上記のプロセスを反復していく。本研究では、心理臨床の専門性の向上を目指している臨床心理学専攻の大学院生及び修了生が、「相互学習」を実践する場面を具体例として取り上げ、上記の方法論の実用性を明らかにしていく。 二年目となる、平成20年度は、前年度に開始した一連の作業を継続・発展させた。具体的には、上記、(a)1)対話データの整備、2)対話分析、3)学習者への還元、の一連の方法論を適宜修正しながら踏襲することに充てた。並行して、(b)データの拡充、(c)国際学会における報告、が行えるよう準備を進めた。中間成果報告として、国内外の学会で発表やシンポジウムを行い、現時点での到達度について客観的評価を受けた。具体的には、2008年8月開催の家族心理学会や9月開催の日本心理学会で自主シンポジウムを企画し、実施したり、その他学会でも口頭発表を行った。また、11月開催のConference on Solution-Focused Practice, Solution Focused Brief Therapy Association(University of Texas, Austin)において報告を行った。また成果の一部を、英文紀要論文としてまとめた。
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Research Products
(11 results)