2007 Fiscal Year Annual Research Report
教師のバーンアウトに対する包括的予防プログラムの開発に関する研究
Project/Area Number |
19530621
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
新井 肇 Hyogo University of Teacher Education, 学校教育研究科, 教授 (60432580)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 剛 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 准教授 (30330111)
隈元 みちる 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 助教 (60379518)
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Keywords | 臨床心理学 / 教師 / 撚え尽き症候群(バーンアウト) / メンタルヘルス / セルフ・ヘルプ・グループ |
Research Abstract |
本研究は、教師のバーンアウトに対する包括的予防プログラムを開発することを目的としている。初年度として、教師のバーンアウトの現状を把握するために、以下の活動を実施した。1、小学校・中学校・高等学校の教師を対象に、研究者らがファシリテーターとして参加する、職場外でのセルフ・ヘルプ・グループを開催した。2、近隣の中学校に研究者らが出向いて、職場内における研修を実施し、お互いに支え合える職場環境作りに寄与した。3、教員のためのホットライン「10minutes相談」を開設し、職場における悩みを受けとめられる場を提供した。4、教師のバーンアウトの規定要因に関する予備調査を現職教員を対象に行った。 1は、月一回の割合で様々な校種・学校の教師が集い、それぞれの思いを職場の同僚に気兼ねすることなく話す場である。また2では、問題の所在である学校で直接同僚とやりとりすることにより、既存の活動だけでは見えなかった同僚の姿を感じる場といえる。一方3は、個別の相談からセルフ・ヘルプ・グループへの橋渡しの役目も担っている。さらに4からは、バーンアウトの規定要因として、教師と(1)児童生徒、(2)保護者、(3)同僚との関係性の破綻が示唆された。 上記1〜3の活動により、教師のバーンアウトの現状および教師という職業に由来するバーンアウトの背景が推察されてきている。さらに、学外、学内で行うセルフ・ヘルプ・グループにおけるグループ力動を分析することによりそれぞれがバーンアウト予防に果たす役割やその限界が抽出されてきている。
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