2009 Fiscal Year Annual Research Report
自分描画法に関する臨床基礎研究~思春期・青年期への取り組み
Project/Area Number |
19530630
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Research Institution | Nayoro City University |
Principal Investigator |
小山 充道 Nayoro City University, 保健福祉学部, 教授 (20170409)
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Keywords | 自分描画法 / 思い / 思春期・青年期 |
Research Abstract |
2つの研究を実施した。A研究では北海道内N中学校1,2年生を対象として自分描画法(以下SPMと略す)の効果を確かめ、B研究は昨年度SPMを実施した北海道内N高校の協力を得て、全生徒に対してSPMを実施。高校で生徒の心の健康を守るひとつの手後としてSPMの活用可能性に関する検討を行った. 1) A研究の対象となったのは1年生73名、2年生110名(総計183名:男100名、女83名)だった。手続きは昨年と比較できるように昨年同様とした。結果SPM実施によって不安感情が和らいだことがわかり、SPMがもつ緊張緩和作用が認められた(0.00<0.05)。また「思いは大切だ」と考える人は多く、平均値は4.2だった。「思い」のイメージから「愛情」「楽しい」「家族」といった肯定的なイメージをもつ人が多かった。その意味で生徒の健康度は高かった。「思い」に最も近い色は透明(22%)→白(18%)→赤(17%)→燈(14%)で71%を占めた。いずれも思春期の人が好む色だった。 2) B研究では北海道内N高校の1,2年生210名が対象となった。生徒は概ね良好な態度で描画した。その結果をまとめ学年団で報告。最後にSPM実施による教育効果の評価目的でクラス担任に対するアンケート調査を実施。各項目につき5段階評価((1)生徒理解が深まらなかった~(5)深まった)で実施した。担任から「この試みが生かせるとすれば、教員からの申し出のあった特定の生徒について情報の交換をすれば有意義になる」「心の奥に隠れているものが描くことによって現れてくる。見えてくることによって普段の生活が理解できた」等のコメントをいただいた。その後大きな関わり(集団>から小さな関わり(個入)へと面接展開があった。本研究により学校環場でSPMを活かすための道筋が垣間見えた。どのように生徒理解に役立っかが鍵かと思われる。
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Research Products
(3 results)