2008 Fiscal Year Annual Research Report
アットリスク精神状態群に対する精神病顕在発症を予防する心理的面接法の開発
Project/Area Number |
19530638
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Research Institution | Kyoto Bunkyo University |
Principal Investigator |
松田 真理子 Kyoto Bunkyo University, 臨床心理学部, 講師 (40411318)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 信 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (10359820)
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Keywords | アットリスク精神状態群 / 精神病顕在発症予防 / 心理的面接法 / 前駆症状 / PRIME-SHEET / CAARMS / 再発予防 / 自我の安定 |
Research Abstract |
研究目的は「アットリスク精神状態群(ARMS)に対する精神病顕在発症を予防する心理的面接法の開発」であり、本年度の研究実施計画に基づいて以下の作業を遂行した。 1. スクールカウンセラー先や精神病院での心理面接を通じて既に蓄積してきたデータの分析と国内外の早期精神病予防に関する書籍・資料の収集等を行った。また、研究会を実施し、今年度のデータ収集方法を確定した。 2. 上記におけるデータの分析結果ならびに考察を「Effectiveness of psychotherapy for At Risk Mental State (ARMS) in preventing full blown psychosis.」というタイトルで、平成20年10月20日〜22日にオーストラリアのメルボルンで開催された国際早期精神病学会第6回大会(6^<th> International Conference on IEPA (The International Early Psychosis Association Inc)でポスター演題発表を行った。共同発表者は、和田信(埼玉医科大学 医学部 講師)と水野雅文(東邦大学 医学部精神神経医学講座 教授)である。 3. スクールカウンセラーとしてARMSの精神病顕在発症予防を目指し活動する中で課題として抽出したことを「教育現場における早期介入の諸課題-スクールカウンセラーとしての関わりを通して-」というタイトルで平成20年12月14日に慶応義塾大学病院新棟大会議室で開催された日本精神障害予防研究会 第12回学術集会のシンポジウム演題として発表した。 4. 厚生労働省の精神疾患関連研究班のひとつである「早期精神病の予防、早期治療および病態理解に関する臨床的研究」(松岡洋夫班)に於ける研究報告を聴講し、臨床研究の最前線の知見を収集した。 5. 精神病院ならびにスクールカウンセラー先で新たな心理面接を行い、データを集積した。心理面接の際には、夢分析、箱庭療法、描画などを併用する事例もあった。新たなデータと既に蓄積してきたデータを検討・考察し、その成果の一部ならびに国際早期精神病学会(IEPA)ならびに日本精神障害予防研究会で発表した内容をまとめ、学会誌(『心理臨床学研究』)に投稿準備中である。
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