2008 Fiscal Year Annual Research Report
チンパンジーのカテゴリー認識に及ぼすラベル化の効果に関する比較心理学的研究
Project/Area Number |
19530653
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 正之 Kyoto University, 野生動物研究センター, 准教授 (80280775)
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Keywords | チンパンジー / カテゴリー / 食物 / シンボル / アイコン / 遅延見本合わせ |
Research Abstract |
本年度は、京都大学霊長類研究所のチンパンジー6個体を対象として、食物カテゴリーの認識について、多様な食物の写真を用いて遅延見本合わせ課題により検討した。評価基準としてヒトから見た食物としての典型性を用いてテストをおこない、野生の植物においてチンパンジーの食物としてのカテゴリー認識の広がりを発見した。引き続いて、4種類の食物の写真と、それに対応する図形文字を用いたシンボルまたは線画を用いたアイコンの習得をさせるために訓練をおこなった。1個体については、4種類のシンボル、4種類のアイコンの学習に成功し、現在はアイテム数を6種類に増やして訓練をおこなっている。他の5個体については、4種類のシンボル、アイコンによる訓練を継続中である。この学習の習得過程については、2008年度の日本心理学会および日本動物心理学会、日本霊長類学会の各大会において発表した。また、京都で開催された国際比較認知シンポジウムにおいても英語による口頭発表をおこなった。これらの成果に基づいて論文の投稿準備中である。また、京都市動物園における比較認知研究の成果は日本発達心理学会大会において発表した。また、京都市動物園において定期的に一般市民向けに研究解説の機会を設けている。研究論文としては、Animal Cognition誌、Journal of Comparative Psychology誌、Interactive Studies誌にそれぞれ共著論文の掲載が決定している。
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