2008 Fiscal Year Annual Research Report
部分手がかり抑制における検索抑制説と検索方略妨害説の検討
Project/Area Number |
19530665
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Research Institution | University of the Sacred Heart |
Principal Investigator |
高橋 雅延 University of the Sacred Heart, 文学部, 教授 (10206849)
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Keywords | 部分手がかり抑制 / 検索抑制 / 検索方略 |
Research Abstract |
本研究課題では、学習リストの一部の項目を検索手がかりとする部分手がかりが呈示されると、何も検索手がかりを与えずに自由再生を求めた場合に比べて、その記憶成績が悪くなるという部分手がかり抑制効果の2つの解釈(検索抑制説と検索方略妨害説)について検討した。 本年度も、昨年度に続き、この2つの解釈の妥当性に関して、テストまでの遅延によって、部分手がかり抑制効果の消失が認められるかどうかという点に着目した。すなわち、関連のある単語ばかりからなる関連語リストと、無関連な単語ばかりからなる無関連語リストの2種類を使い、直後再生だけではなく、遅延再生として最終再生(自由再生)を行い、部分手がかり抑制効果がどのような影響を受けるのかについて検討した。 実験は、3つの段階に分かれ、第1段階の学習段階では、参加者に対して聴覚呈示を行った。この際、リスト構造が関連のある単語からなる関連語リストと、それらの呈示順序をランダムに並べ替えた無関連語リストを用いた。特に、今年度は、1項目あたり4秒の提示時間として、使用する部分手がかりの種類もランダムなものを設けて検討した。その結果、直後再生においては、関連語リストであっても、無関連語リストであっても、部分手がかり抑制効果が認められたのに対して、最終再生においては関連語リストでは抑制効果が消失し、無関連語リストでは抑制効果が残存した。これらの結果は、検索抑制説と検索方略妨害説の両方の解釈が必要であることを示唆している。
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