2007 Fiscal Year Annual Research Report
手話のわかりやすさを視覚シンボルの表現に採り入れるための認知心理学的研究
Project/Area Number |
19530669
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
井上 智義 Doshisha University, 社会学部, 教授 (40151617)
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Keywords | 言語 / コミュニケーション / 手話言語 / 視覚シンボル / アニメーション |
Research Abstract |
本研究では,視覚シンボルのデザインに一般的な手話の表現を取り入れ,視覚シンボルの理解度が高まるかどうかを実証的に検討することである。認知心理学的に議論されている手話表現のわかりやすさを,視覚シンボルのデザインに採り入れることができれば,視覚シンボルの理解や記憶にも,より好ましい効果が得られることが期待される。平成19年度に実施した研究は以下のとおりである。 (1)文献による資料収集,および手話熟達者へのインタビューと標準的手話表現の収録 日常のコミュニケーション場面で使用頻度が高いことが予想される約100語の視覚シンボルを選定した後,それらが表現する概念についての手話表現について,日本手話とアメリカ標準手話の表現方法について詳細に調査した。また同時に,アメリカ標準手話と日本手話の双方の熟達者へのインタビューを実施した。 (2)既存のシンボルデザインと手話表現の共通性のリスト作成 上記の調査をもとにして,使用頻度の高い100語の視覚シンボルについては,シンボルデザインにおいて,その概念を表現する際に,手話表現(主として,アメリカ標準手話と日本手話)と共通性を有しているかいなかについてのわかりやすいリストを作成した。これらは,翌年度以降におこなう主たる調査や実験の重要な基礎資料になりうるものである。 (3)一般的な手話表現を採り入れた視覚シンボルの開発(原案段階) 一般的な手話表現をシンボルデザインに採り入れた視覚シンボル開発を依頼した。現在,試作動画を刺激材料として,手話の熟達者を対象に調査を実施中で,より好ましいものへと改良を重ねている段階である。
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Research Products
(1 results)