2008 Fiscal Year Annual Research Report
マウスの防御的覆い隠し行動をモデルとした抗鬱薬・抗不安薬の効率的評価系の開発
Project/Area Number |
19530670
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
山田 一之 The Institute of Physical and Chemical Research, 動物実験支援ユニット, 専門職研究員 (50212288)
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Keywords | 防御的覆い隠し行動 / 防御行動 / マウス / 床敷 / 遺伝子改変動物 / 精神疾患 / 自発活動性 / 行動表現型解析 |
Research Abstract |
本年度は近交系マウス(C57BL/6J系統)を用いて、グラスマーブル覆い隠し行動(MBT)について、1)床敷の密度およびテクスチャーの効果、2)床敷の物理的特性とグラスマーブルの数との相互作用、3)床敷の物理的特性と薬物(レゼルピン、チアネプチン、pCPA)の相互作用、および4)精神疾患関連遺伝子改変マウスの行動表現型解析におけるMBTの適用について検討を加えた。本年度の研究の成果は以下の通りである。1)床敷の密度とテクスチャーの効果については、床敷の密度およびテクスチャーと覆い隠されたグラスマーブルの数に負の相関が認められた。また、床敷の種類によってマウスが示す自発活動に質的な違いが認められた。2)床敷の物理的特性とグラスマーブルの数との関係については、床式の密度が低ないし中程度の場合にのみ、用いたグラスマーブルの数と覆い隠したグラスマーブルの数に正の相関が認められた。3)床敷の物理的特性と薬物の関係については、チアネプチン投与が床敷の密度が低ないし中程度の場合に覆い隠したグラスマーブルの数を増加させた。しかし、レゼルピンおよびpCPAでは一貫した結果が得られなかった。4)MBTが精神疾患関連遺伝子改変動物の表現型解析に有効であることが認められた。このように、本研究において、MBTに用いる床敷の物理的特性が、MBTのパフォーマンスおよびマウスの自発活動に大きな影響を及ぼすことが明らかになった。この結果は、適切な床敷を選択することによって、MBTが薬物スクリーニングおよび精神疾患関連遺伝子改変マウスの行動表現型解析を効率的なものにすることを意味している点で重要である。
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Research Products
(1 results)