2007 Fiscal Year Annual Research Report
社会教育と地域福祉の関係をめぐる基礎的研究-相互扶助文化の再構築に関して-
Project/Area Number |
19530682
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
岡 幸江 Saitama University, 教育学部, 准教授 (50294856)
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Keywords | 地域の関係性 / 共同性 / 拠点 / 地域文化 / 消費的生活関係 |
Research Abstract |
本研究は、金銭を伴う地域サービスを媒介として入間関係、社会関係をふくむ<関係性の再構築>にむかう実践の地域比較調査を行うことにより、地域の相互扶助文化の意味を、ケアシステムの再構築の視点と共に育ちあう基盤の再構築の視点から、社会教育と地域福祉の関係をめぐる基本的研究として明らかにすることを目指すものである。 平成19年度は、実態に即した比較研究枠組みを確定すべく以下の研究を行った。研究計画段階ではさいたま市の枠外サービス調査にも重きをおきつつ沖縄・共同店の準備調査の予定であったが,2年間の中で一定の成果を出すために,沖縄共同店調査に調査の主軸を変更している。1)沖縄県国頭郡国頭村の奥集落・奥共同店の研究 研究協力者・吉田理映子氏(NPO法人市民活動情報センターハンズオン・埼玉)とともに・沖縄北部,離島に68箇所残る,地域共同出資で運営される「共同売店(共同店)」に焦点をあてて調査した。11店を訪問しつつも共同店の原型を色濃く残し突出している国頭村奥共同店に焦点をあてて実地調査した。研究では共同店を地域の相互扶助文化の継承という課題と市場原理・消費文化的生活様式・関係のはざまにたたされた象徴的存在とみなし,その今後に注目している。2)全国の相互扶助文化の形成にかかわる実践への調査草の根互助型活動へのこだわりをもつNPO法人ケアハンズ(さいたま市)の協力も得ながら,地域における互助型実践への移行にとりくんできたモデル的NPOとして,山形県の「ふれあい天童」,静岡県の「たすけあい遠州」への共岡訪問調査を行った。今後,共同店単体ではなく「共同店のコミュニティ研究」を通して,生活関係と信頼関係をむすび地域のワザ・文化を次世代に伝えていく《継承型コミュニティ》にむけての課題をあきらかにしていきたい。その際,とくに「子ども」がいかにその文化に参加・継承していくかに着眼していく予定である。
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