2009 Fiscal Year Annual Research Report
「身心の健康と教育」に関する基礎的・歴史的研究-「学校衛生」の展開を軸に
Project/Area Number |
19530686
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
寺崎 弘昭 University of Yamanashi, 教育人間科学部, 教授 (60163911)
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Keywords | 教育学 / 健康 / 衛生 / 学校 |
Research Abstract |
21年度は、史資料の所在調査とその蒐集、及び蒐集された史料の整理を20年度に引き続き継続した。特に、次の事項について進展があった。 1.ヨーロッパ学校衛生論史の研究 1891年にロンドンで第7回会議が開催された世界衛生会議、1904年にニュールンベルクで第1回会議が開催された学校衛生国際会議等、19世紀末から盛んに開催された欧米における衛生関連会議の動向についての分析を進めた。それらの会議録の目次を分野別に整理し、特に「学校」に関わる視点の広がりと深化を追跡し、「心理衛生」分野の導入等、「学校衛生」をめぐる関心の変化を分析する素材を整理し得た。また、そうした19世紀から20世紀にかけての「学校衛生」(school hygiene)の歴史的位置を見定めるために、18世紀以前の「健康・衛生」(ヒュギエイア)概念の変遷について「ウェル-ビーイング」概念との関連で検討した。 2.「学校衛生」関連諸雑誌の系統的蒐集と分析 日本における学校衛生論の展開とその特質を把握するための中心的素材として、学校衛生研究会『学校衛生』(明治36~38)、および帝国学校衛生会『学校衛生』(大正10~昭和24)、大日本学校衛生協会『日本学校衛生』(大正2~昭和16)という、戦前日本の学校衛生を主導した諸雑誌の蒐集に努め、重要記事のピックアップと分析を行った。 3.蒐集史料の整理とデジタル化 前提となる先行研究および史料を蒐集したものを、引き続き整理し、デジタル化を行った。
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