| Research Abstract |
地方分権,規制緩和が中央集権型行政システムを変革する両輪として,位置づけられ,地方教育行政においても,いかにして自主性,自律性を確保し,教育課題への対応能力を確保するのかということが喫緊の課題となっており,また,中立性,安定性,継続性を制度理念として戦後教育行政システムの中心に位置してきた教育委員会制度の是非が論じられ,地方教育行政制度の改革の必要性が提起されている。
本研究は,地方教育行政について,実際に教育行政に担う主体であり,また,地方教育行政制度改革の問題の中核に位置する市町村長と教育長の関係に注目して,市町村長を対象として両者の関係についての全国調査を実施した。その結果,市町村長がどのような基準によって教育長を選任しているのか,また,市町村長が教育行政への関わりには多様な側面があることを明らかにし,また,市町村長と市町村教育長の連携に対してどのような要因が影響を与えているのかを明らかにした。
また,平成19年度,平成20年度に実施した調査研究を教育長-市町村長関係の視点からまとめるとともに,教育委員会の組織条件との関係から,指導主事の機能の在り方について分析・考察を行い,指導主事の機能にとって,教職系幹部職員の配置が重要な要素となっているとの知見を明らかにした。
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