2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19530697
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
安部 崇慶 Hyogo University of Teacher Education, 学校教育研究科, 教授 (10136020)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑野 裕子 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 准教授 (80167585)
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Keywords | 芸道 / 全体論 / 稽古論 / 口伝 |
Research Abstract |
本研究の課題である「芸道の教育の全体論的考察」という視点には、以下のような含意が存在する。 (1)芸道の教育でいわれる「型」とは、伝統の集積された客観である。 (2)「型」を形成せしめる核心は、文字や書物を媒介としないノンバーバルな教育の方法・形態こそがベストであるという認識に裏打ちされている。 (3)こうした芸道の教育は、個別ではなく総体として全体的に把握しなければ、理解不可能である。 以上の本研究の目的(芸道の全体像の実態を探る)を果たすためには、家元クラスの教授場面の観察か、あるいは実際に口承・口伝による芸能の場面の検証に待つしかない、という点に留意しながら研究を進めている。 <平成19年度>の研究進捗は、ほぼ予定通り順調である。 ○芸能の成立及びその背景に関する検討:各芸能に関する文献調査、資料収集を行ったが、ほぼ予定通り順調である。 ○芸能の稽古の実際の把握:各芸能の稽古の実際をビデオ化したり、聞き取り調査を行う予定であったが、調査実施のサンプル数が相手方との日程調整不備などの理由により、予定より少なかった。しかし、本年度に購入した画像入力ボード等により、調査の準備は整っている。 ○各地を代表する芸能の調査:この点についても、ほぼ予定通りに、執行できた。特に、口承の教育に関する秘伝の実際を祭礼行事に探ることも出来た。 ○「型」の形成に関わる諸外国との比較検討:この点については、時期、予算などの関係で今年度は検討を断念した。 ○研究成果報告書の作成:平成22年度には、4カ年の研究成果を「研究成果報告書」として刊行する。
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