2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19530699
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
安藤 輝次 Nara University of Education, 教育学部, 教授 (70143930)
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Keywords | 教職能力 / 評価規準 / 一般的ルーブリック / 教育実習 / ジェネリック・スキル / 教師のライフサイクル / チェックリスト / 自学 |
Research Abstract |
アルバーノ大学に出張し、M.Diez教授から教職能力ルーブリックの開発方法についての話を伺い、関係資料を入手した。他方、わが国では、教育実習に限定した評価規準の明確化の取組(北海道教育大学、島根大学、信州大学)であり、いずれも教育実習の評価カテゴリーを出ていない。むしろ千葉大学の「プレ10・ポスト10教員研修プログラム」のように、教師のライフサイクルに合わせた達成目標の段階化も必要である。ところで、私も関わる平成20年度設置の教職大学院では、千葉大学と同じような発想で、(1)計画者・授業者、(2)教科指導、(3)カウンセリング、(4)調整者、としての4つの教師像に分けて、各教師像を構成する資質・能力を4から6つを抽出し、ルーブリックを創ってきた。 本研究では、教師像別の簡単なルーブリックとアルバーノ大学の教職一般の詳細なルーブリックを学部生(実習着手前後と卒業直前)と中堅の現職教員に対して分かるかどうか、自分はどの程度かということを明らかにする調査を実施した。その結果、次のことが明らかになった。 第1に、学部生にとっては、教師像別ルーブリックよりむしろ教職一般のルーブリックのほうが該当項目も多く、ターゲットも明確であって使いやすい。というのは、教育実習程度の経験しかない者にとっては、教職の一般的な能力ルーブリックで各種の技能を明確にして評価して鍛えることができるからである。第2に、現職教員にとっては、そのような詳細なスキルは獲得済みであるので、職能成長のためには、教職全体を把握し、自分の位置を知るに教師像別のルーブリックのほうがより自学的要素を含めた学びの展開ができて、よいのではないかということである。 平成20年度は、当初から計画しているスーパー・ティーチャーだけでなく、ルーブリックづくりが遅れたために本年度は実施出来なかった初任研の教員も含めて面談や調査を行い、より洗練させた教職能力ルーブリックを開発する予定である。
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Research Products
(2 results)