2007 Fiscal Year Annual Research Report
公立学校教員の非違行為と懲戒処分の在り方に関する研究
Project/Area Number |
19530721
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
坂田 仰 Japan Women's University, 家政学部, 准教授 (70287811)
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Keywords | 非違行為 / 懲戒 / コンプライアンス / 学校管理 |
Research Abstract |
本研究は,近年,マスメディア等で大きく取り上げられ,社会問題化している,公立学校教員の法令違反をはじめとする非違行為について,その防止と客観的な懲戒基準の確立に向けて必要とされる基礎的資料を提供することを主眼としている。研究初年度にあたる本年度は,先行研究の整理並びに都道府県(政令市)教育委員会に対する予備的調査,公立学校教員の非違行為に関わる裁判例の収集・分析に努めた。 その結果,まず第一に,教員の非違行為に関する研究の蓄積が極めて限定的なものに止まっていることが明らかとなった。また,教育委員会等に対する予備調査からは,教育委員会等の関係者がこの分野に対する研究の拡大,特に公立学校教員の非違行為に対する裁判例の動向把握の必要性を強く感じていることが示された。先行研究の蓄積不足と教育委員会関係者の期待の強さから,本研究の意義・重要性と緊急性を再確認することができる。 第二に,公立学校教員の非違行為に対する社会的視線の変化が,裁判例に反映する傾向が見られることが明らかになりつつある。単に裁判例集等のデータベースに掲載される判例が増加しているのみならず,限られたサンプル数の中ではあるが,教員側に対して厳しい判決が増加する傾向が見受けられる。質的,量的両面において変化が生じているといえよう。この点については,次年度以降,サンプルとなる判例数を拡大し,更なる検証に努めることが重要な課題となると考えられる。
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Research Products
(2 results)