2009 Fiscal Year Annual Research Report
「宗教的情操」概念の歴史と教育実践に関する基礎的研究
Project/Area Number |
19530722
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Research Institution | Musashino Art University |
Principal Investigator |
高橋 陽一 Musashino Art University, 造形学部, 教授 (70299957)
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Keywords | 教育思想 / 宗教的情操 / 宗教教育 / 畏敬の念 / 価値教育 |
Research Abstract |
本研究は「『宗教的情操』概念の歴史と教育実践に関する基礎的研究」をテーマとし、「宗教的情操」という概念の経緯や定義の変遷を歴史的に研究するとともに、現在における教育実践の状況までも対象として基礎的な研究を行うものである。2009(平成21)年度は、(1)第1年度より開始した基礎資料の収集と分析を継続しつつ、(2)道徳関連教材における「宗教的情操」や「畏敬の念」概念などの分析を中心に行った。とりわけ、(1)の分野では、新たに20世紀初頭の心理学における動向と日本への移入などに注目し、(2)では新しい学習指導要領への対応やそれにともなう副読本の変化に注目した。 研究分担は、研究全体の調整は高橋陽一(研究代表者)が行い(1)は、戦前を駒込武(連携研究者)、戦後を竹内久顕(連携研究者)が担当し、小川智瑞恵(研究協力者)が協力した。(2)は、伊東毅(連携研究者)が担当し、田口和人(研究協力者)と小幡啓靖(研究協力者)が協力し、資料整理などに田中千賀子(研究協力者)が当たった。 研究成果としては、高橋陽一「「宗教的情操」論の退潮と「伝統と文化」の可能性」『生活指導』2009年5月号により学習指導要領の変化を踏まえて最近の動向を分析した。また2008年度教育史学会シンポジウムの報告内容について高橋陽一「<価値教育>の有効性を考える-「宗教的情操」論と現在-」『日本の教育史学』第52集として発表した。また伊東毅が新旧学習指導要領による道徳副読本の変化を2009年8月9日に教育科学研究会大会で口頭発表した。
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