2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19530731
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Research Institution | Aichi Shukutoku University |
Principal Investigator |
渡邊 かよ子 Aichi Shukutoku University, 文学部, 教授 (90220871)
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Keywords | メンタリング / メンター / 学校 / 地域 / 企業 / 青少年 / 発達支援 |
Research Abstract |
2007年度は、米国と日本のメンタリング運動に関する資料収集と分析を行うと共に、世界のメンタリング運動を牽引している米国の学校を基盤とするメンタリング・プログラムの現地調査を行った。並行して、メンタリン・プログラムの歴史・理論・成果の総括、理工系人材養成におけるメンタリング、日本におけるメンタリング運動の先駆的事例、社会的包摂に向けたメンタリング・プログラムに関する検討を行い、その成果を論文発表することによって、メンタリング運動を育む地域コミュニティや社会集団(専門職集団や企業組織)、国家、国際機関等の動向と学校(制度)との連関の把握に努めた。 最大の成果は、2007年9月に米国イリノイ州シャンペン・アーバナ市の学校を基盤とする Champaign-Urbana One-to-One Mentoring Programの資料収集、ならびに事務局担当者と参加者、ならびにそれを支援している企業の担当者への面接調査ができたことであった。年度末のプログラム評価において成績、人間関係、自信や自己効力感の向上等の効果を生み出している同プログラムを支えているメンター11人に直接、その参加動機や活動実態、参加しての感想をインタビューすることによって、メンタリング運動を推進する人々の意識と動力源に直接触れることができた。学生やビジネスマン、大学教授、労働者、銀行員、警察官、主婦等、職業も年齢も多岐にわたるメンターがそれぞれの理由からメンタリング・プログラムに参加し、時に葛藤を伴いながらもメンタリングから深い満足感を得ていた。メンタリング・プログラムによって、学校そのものが地域コミュニティの円環的生涯発達支援の中核として活性化されていることが判明してきた。
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