2007 Fiscal Year Annual Research Report
米国における高大接続プログラムの実態に関する研究-単位の取得と活用を中心に-
Project/Area Number |
19530739
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Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
河合 久 National Institute for Educational Policy Research, 教育課程研究センター・基礎研究部, 総括研究官 (30214589)
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Keywords | 高大接続 / 単位 / Dual Enrollment / Running Start / Tech Prep / Advanced Placement / 国際バカロレア |
Research Abstract |
米国において、高校在籍中に大学の単位を取得できるプログラム(高大接続プログラム)にどのようなものがあるか、また、それらのプログラムにはどのような利点と課題があるかを調査した。ワシントン、オレゴン、イリノイ、フロリダ、カリフォルニアの5つの州を訪問し、大学、コミュニティ・スクール、高校、学区教育事務所等の関係者からそれぞれの州で実施中のプログラムについての情報を得た。 これまでの調査から、プログラムを成功させるのに重要であると感じたことは、以下の5点である。 ・コーディネーターやカウンセラーといった高校と大学との連絡調整をする人を養成すること。 ・どのような内容が大学レベルと言えるのか、評価基準をどのようにするのか、高校と大学の教員がよく話し合い、両者が納得できる教科内容の基準をつくること。 ・教員の研修の場を提供すること。高大接続プログラムにかかわることは高校と大学の教員の両者の良い研修の機会となり得る。 ・プログラム参加者のデータの蓄積と分析。高校で取得した大学の単位は、大学入学後に取得する単位よりも劣るのではないかという声もある。そのような意見に反論するにしてもきちんとしたデータがなければ反論は不可能である。 ・高校で取得した大学の単位は、より多くの大学で通用するようにすること。授業を受けた大学でのみ大学の単位として認められるということでは高大接続プログラムの利点は十分に活かせない。 なお、ワシントン州では5つの高大接続プログラムが実施されているが、これらのプログラムの特徴(参加者数、実施場所、指導者など)と実施状況については、国立教育政策研究所のプロジェクト研究の報告書(「今後の後期中等教育の在り方に関する研究」(平成18〜19年度))に、これまでの研究成果としてまとめた(「ワシントン州における高大接続プログラム」)。
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