2009 Fiscal Year Annual Research Report
米国における高大接続プログラムの実態に関する研究-単位の取得と活用を中心に-
Project/Area Number |
19530739
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Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
河合 久 National Institute for Educational Policy Research, 教育課程研究センター・基礎研究部, 総括研究官 (30214589)
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Keywords | 高大接続 / dual credit / dual enrollment / CTE / コミュニティ・カレッジ / career readiness / college readiness / カリキュラム |
Research Abstract |
米国の多くの高校で導入されている国際バカロレア(IB)のディプロマ・プログラムやカレッジボードのアドバンスト・プレースメント(AP)コースは、大学に進学した場合、ある一定以上の成績をおさめれば大学の単位として認められている。また、Dual EnrollmentとかConcurrent Enrollmentに参加する高校生が近年急増しているが、これらは高校在学中に大学レベルのコースを学ぶことで、高校の単位と大学の単位を同時に(Dual Credit)取得できるようにしたものである。 高校生が大学の単位を早く取得できることのメリットは少なくない。まず、大学レベルの高度な内容に触れることで意欲ある高校生の学習意欲を刺激する。また、大学に入学した時点ですでにいくつかの単位を取得していれば、その後の大学生活に余裕ができ、もし、早く卒業すれば保護者等の学費の負担を軽減することも可能だ。さらに、高校時代にAPコースを履修した生徒やDual Enrollmentで学んだ生徒は、それらを経験していない生徒の成績よりも大学での成績が優秀であり、ドロップアウト率も低いとの研究報告もある。これらのプログラムやコースが高校と大学のカリキュラムをスムーズにつなぐ役割を果たしているからであろう。 本研究では、米国で高校生が在籍中に大学の単位を取得できるプログラムにどのようなプログラムがあるか、全米で展開されている主なプログラムについて調査した。それぞれのプログラムが何学年から、どこで実施され、誰が教えるのか。内容のレベルや大学での単位認定、経費とサポート体制、高大接続プログラムのメリットと課題等を整理、分析し、日本の高校への導入の可能性を探った。 最終年度である本年度はカリフォルニア州でのDual Enrollmentの機会について、主に、学業成績においてトップレベルの生徒ではなく、学習上の困難を抱えている、あるいはドロップアウトの危険がある生徒、将来の就職に備えて職業技術を身につけることに関心がある生徒のDual Enrollmentの機会について調査を行い、実態をまとめた。
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