2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19530743
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
加藤 毅 University of Tsukuba, 大学院・ビジネス科学研究科, 准教授 (10233800)
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Keywords | 大学教員 / 大学職員 / 大学マネジメント / インスティテューショナル・リサーチ / スタッフ・ディベロップメント |
Research Abstract |
大学教職員が多様化し業務がボーダレス化する一方で、必要とされる専門性の高さゆえに機能分化が求められている。この2つの変化に直面した大学に、どのような専門職が求められているのか。そしてそこで、現在の大学教職員はどのような役割を果たすことができるのか。このような問題関心のもと、我が国の大学の現場で起こりつつある3つの大きな変化を同定するとともに、その意義と発展性について論じるための枠組みの構築を行った。概要は以下の通りである。 1)わが国の大学では、現場職員の持つ潜在力を起点とし、大学経営の中核となる具体的な業務改善や課題解決を目的とした、現場職員と経営陣そして関連領域の専門家(教員)という3者の共同が行われている。このことを通じて、1.明確な目的に基づく、実務に直結したデータの収集・分析や広報、2.業務改善や課題解決の、大学経営戦略全体の中での位置づけの明確化、3.専門家との協同を通じた業務改善や課題解決の高度化が可能となる。 2)大学職員の業務と研修が一体化することにより、業務の効率化と高度化が同時に実現すると共に、担当者に求められる新しい実務能力も着実に向上する、という、SDにおける新たな構図を見いだした。先進的な大学ではすでに、この構図の延長上に、業務プロセス全体が研修プログラムとして機能するというスタイルのマネジメントが展開されている。活性化する職員とは対称的に、教員のほとんどはこの変化から取り残されている。 3)キャリア教育を改善のための様々な試みが、多くの大学職員によって積極的に展開されている。授業科目のレリバンスに関する理解を大きく転換させることにより、教員に代わり職員を中核とするキャリア教育再興への道が拓かれつつある。
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Research Products
(4 results)