2007 Fiscal Year Annual Research Report
不登校現象の社会・文化的多様性と支援ネットワーク構築に関する教育臨床社会学
Project/Area Number |
19530748
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Research Institution | Otsuma Women's University |
Principal Investigator |
酒井 朗 Otsuma Women's University, 家政学部, 教授 (90211929)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
保阪 亨 千葉大学, 教育学部, 教授 (30173579)
伊藤 茂樹 駒澤大学, 文学部, 教授 (70251569)
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Keywords | 不登校 / スクールソーシャルワーカー / 脱落型不登校 |
Research Abstract |
本研究の目的は、今日の不登校現象の社会・文化的多様性を解明するとともに、その多様化の観点から、現行の支援ネットワークの実態を批判的に検討することにある。社会の構造変動と教育改革の進行に平行して登校を忌避する子どもは量的拡大を続けてきたが、それは学校教育からの離脱・排除の過程が質的な変化、多様化を遂げている可能性を示している。本研究は、こうした仮説に立ち、今日の不登校の多様化の実態を社会の構造変動と社会的不平等との関連から把握し、かつ不登校支援のためのネットワーク構築の意義と妥当性を教育臨床社会学の視点から検討することを企図している。 今年度は首都圏X地域における長期欠席者の実態とその家庭背景等の生活状況について情報収集するとともに、スクールソーシャルワークの成立の経緯と社会的役割について理論的に検討を進めるとともに、関西圏のY自治体等におけるスクールソーシャルワーカーの導入について、その背景、経緯と組織編成、実際の職務内容等について複数回にわたり聞き取り調査を実施した。 X地域における調査からは、不登校の多くが保阪のいう「脱落型」不登校に該当し、従来装丁されてきた神経症型不登校から実態が質的変化を遂げつつあることが示唆された。また、支援の在り方も新たなタイプを意識したものに改善していく必要性が見いだされた。 スクールソーシャルワーカーについては自治体間で自治体での位置づけや役割が異なり、さらに複数の地域でのヒアリングをもとに検討を進めていく必要がある。
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