2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19530749
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
今津 孝次郎 Nagoya University, 教育発達科学研究科, 教授 (30025118)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 晃 岐阜女子大学, 文化創造学部, 教授 (00387458)
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Keywords | 教師教育 / 教員評価 / 現職教育 / 指導力不足教員 / 指導が不適切な教員 / 指導改善研修 / ソーシャル・スキル / 教育センター |
Research Abstract |
「指導力不足教員」は数が少ないとはいえ、現実には深刻な学校教育問題であるにもかかわらず、教師の「負」の側面であるだけに、学校教育関係者も触れようとせず、教育研究者も無視し続けている状況である。そこで、全国61教育委員会を対象に「指導力不足教員」および教員評価に関する実態調査をアンケートで実施した(有効回収率85.2%)。回答結果からは、各教委が「指導力不足教員」問題は重要であるという認識を持っていること、この問題の背景としては教員個人の理由と時代の進展という社会的理由の双方を考えていること、認定を受けた教員の現職研修は教育センターでおこなっていること、研修に関する人事配置や予算措置は十分ではないが与えられた条件で何とかやりくりしていること、が明らかになった。 そして、アンケートでは限界があるので、全国14教育センターの訪問インタビューを実施した。その結果、どの教育センターにおいても、緻密なプログラムのもとに懇切丁寧な研修が展開されており、こうした実態が情報公開されていないことが、"学校バッシング"が一方的にエスカレートする原因になっているのではないか、と感じられた。また、思いがけず各教育センター共通して明らかになったことは、「指導力不足教員」が対人関係能力に欠けるという側面である。授業ができない、子どもや保護者と関係が結べないという問題性の根底に、教員のソーシャル・スキル不足がある。そこで、対人関係能力をいかに現職教育で培うかというのが重要な予防課題として浮かび上がった。
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Research Products
(4 results)