2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19530750
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
阿曽沼 明裕 Nagoya University, 大学院・教育発達科学研究科, 准教授 (80261759)
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Keywords | 大学院 / 財政基盤 / 日米比較 / 研究大学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、米国の大学院の財政的基盤にどのような構造的なパターンがあるのかという課題を中心に、その多様なパターンの背景と要因、その多様性がもたらす利点や問題点などを探り、そこで得られた多様性を分析するための枠組を使いつつ日米の大学院の財政基盤の比較分析を行う、というものである。そのために平成20年度は、19年度に試験的に行った米国の研究大学への訪問調査をさらに本格的に行った。対象としたのは米国西海岸の研究大学であるワシントン大学であり、グラジュエト・スクール、文理カレッジ、ビジネス・スクールに訪問し、その財政基盤についてインテンシブに調査した。文理カレッジは昨年調査できなかったので、Ph.D.を養成する中心的な組織の財政基盤に関する知見が得られ、それと対照的に専門職学位を授与するビジネス・スクールの財政基盤に関する知見を得ることができたと同時に、金融危機が大学院教育に与える影響についても知見を得ることができた。大学院教育の財政基盤の歴史的な検討については、昨年度に引き続いてグラジュエト・スクールの歴史について検討を行った。また、米国の大学院の財政基盤についての歴史的な分析を進めるとともに、とくに財政基盤を考える上で大学院の組織構造に対する認識が必要であるとの判断から、グラジュエト・スクールを中心とする大学院組織の構造を分析し、学会発表とともに論文「米国研究大学における大学院組織」を発表した。
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