2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19530760
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
中村 三緒子 Japan Women's University, 人間社会学部, 学術研究員 (70440089)
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Keywords | 教育学 / 社会学 / ジェンダー / 職業キャリア / 高等教育 |
Research Abstract |
本研究は高学歴女性の結婚・出産後の職業キャリア分化の規定要因を分析することを目的としている。本研究では、首都圏の女子大学と共学大学を卒業した35~45歳の女性を対象に調査を行い、大学類型別の大学教育や母親の影響が職業キャリアに与える影響を分析した。 1.初年度は大卒女性の職業キャリア分化を詳細に把握するため、「中間的女子大学」出身者と「共学大学」出身者に、大学卒業後から現在までの職業キャリアについてインタビューを行った。第2年度は職業系女子大学、中間系女子大学、教養系女子大学、共学大学の卒業生調査を行った。本年度は、これらのデータを合わせた1601票の分析を行った。 2.有配偶者を35-39歳、40-41歳、42歳以上の3グループに分けて、職業キャリアが分化する要因を検討した。全ての年齢層において、「大学時代の専門知識・技術を生かせる業務である場合」、「子どもの頃から母から仕事を続けるように言われていた場合」、「初職」が「専門・管理職である場合」、就業を継続する「継続型」が多い。一方、「子どもが小さい間は、母親は仕事を持たず家にいる方がよいと思う場合」、結婚・出産で一時退職後に再び就業する「再就業型」や結婚・出産で仕事を退職する「退職型」が多い。35-39歳と42歳以上グループでは、「転職しながら専門・得意分野を形成した場合」は「継続型」が多い結果であった。 3.職業キャリア分化と専門知識や母親との関係をより詳細に考察するため、大学卒業後に専門学校で勉強する女子学生(未婚者と有配偶者)にライフコース展望についてインタビューを行った。インタビューの結果、子どもの頃から母親のライフコースに関する話を聞き、母親が就業継続していた場合は就業継続を希望し、母親が専業主婦の場合は本人の職業決定に母親が強く関与し結果的に結婚退職傾向の強い職業を選択する傾向が明らかになった。
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Research Products
(2 results)