2008 Fiscal Year Annual Research Report
異文化間教育研究におけるインタビュー手法の相互性構築過程と作品化の研究
Project/Area Number |
19530769
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Research Institution | Poole Gakuin University |
Principal Investigator |
中島 智子 Poole Gakuin University, 国際文化学部, 教授 (80227793)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野入 直美 琉球大学, 法文学部, 准教授 (90264465)
倉石 一郎 東京外国語大学, 外国語学部, 准教授 (10345316)
矢野 泉 横浜国立大学, 教育人間科学部, 准教授 (00276867)
渋谷 真樹 奈良教育大学, 教育学部, 准教授 (80324953)
徳井 厚子 信州大学, 教育学部, 准教授 (40225751)
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Keywords | 異文化間教育研究 / インタビュー調査 / 相互性 / 作品化 / 調査倫理 |
Research Abstract |
本研究は、異文化間教育研究において「異」が立ち上がり、被調査者との相互行為を経て揺れ動いていく動的な<「異」の成り立ち>のプロセスとして、インタビュー調査を分析の俎上に載せることを目的としている。2年目に当たる今年度は、1.インタビュー調査の自覚化、2.その分析及び作品化プロセスの共同化、に焦点づけた。 その結果、調査データの分析や作品化プロセスを共同化することによって、気づかなかった読み取りや析点を得ることができ、それを元に再インタビューすることの有益性が確認された。特に、調査者と被調査者との関係は、インタビューのやりとりを第三者が読み込むと調査者自身の認識とは異なる指摘がなされ、それを受けて調査者が再読み込みをしたり再インタビューすることで、それまで見えなかった意味を読み取れるようになることがある。このプロセスを経ることによって調査対象者との関係が変化し、より深いインタビューが可能になったケースがあった。 また、調査フィールドとの関係でトラブルに巻き込まれたケースや調査フィールドでの人間関係で悩むというケースが生じ、フノールドとの関係や研究者の倫理について実践的な研究を行うごとができた。しかし、作品化する過程での両者の関係の再構築等、残された課題もある。 調査テータをどのように切り取り提示するかという点については、鯨岡駿『エピソード記述入門』を参考に、エピソード記述法の有効性について検証した。 以上のように、インタビューという手法を自覚的に使い、データの分析や作品化過程を共有することでより豊かな成果に結びつく可能性が確認された。その成果をまとめるのが次年度の目的となる。
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Research Products
(18 results)