2008 Fiscal Year Annual Research Report
文理融合型地域理解学習教材の開発-津軽の藍を通じて地域を知る-
Project/Area Number |
19530772
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
北原 晴男 Hirosaki University, 教育学部, 教授 (60186260)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北原 かな子 秋田看護福祉大学, 看護福祉学部, 教授 (80405943)
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Keywords | 文理融合 / 地域理解 / 学習教材の開発 / 津軽 / 藍 |
Research Abstract |
本研究は、子供たちが地域の農産物など特産物に関連して実際に自然科学的研究手法を体験しつつ、その産物にまつわる背景的歴史文化を学ぶことで地域を理解する、文理融合型カリキュラムの考案を目指すものである。本研究課題において重点的な研究対象としたのは、かつて津軽地方でも盛んに栽培されていた藍である。 前年度に藍の本場として知られる徳島で行った教育事情視察結果を手がかりとして、本年度は具体的な教材開発に取り組んだ。藍はもともと「藍染」にだけ用いられるものではなく、古くから様々な薬理効果が伝えられ、薬やお茶として引用された歴史を持つ。しかし現在藍に関連する教材は一般的に「藍染」中心となりがちである。そこで、本研究では従来手薄であった化学的視点からの藍関連教材として、藍の乾燥葉を水で抽出し、得られた抽出物に市販の検査薬などを用いて、植物としての藍が持つさまざまな生理活性物質の存在を理解する方法を考案した。こうした化学的な方法に加え、歴史的な視点として、古くから津軽地方で藍がお茶として引用されたこと、あるいは近代以降、薬としても用いられたことについても、発掘した資料に基づいて教材化を試みた。 さらに本年度は徳島県立農林水産総合技術センター農業研究所の協力を得て、植物としての藍のさまざまな種類や栽培、また歴史についても資料を収集し、教材としてまとめた。以上のことから、本研究課題のまとめとして、藍の性質、あるいは栽培に関する自然科学的視点、また人々との歴史的なかかわりについて、文理融合型の1つの単元を構成した。
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