2007 Fiscal Year Annual Research Report
多元的市民性と比較文化的視点に基づく我が国教育における「公民」性形成に関する研究
Project/Area Number |
19530774
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
谷口 和也 Tohoku University, 大学院・教育学研究科, 准教授 (60281945)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PARMENTER Lynne 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (10312761)
吉村 功太郎 東北学院大学, 教養学部, 准教授 (00270265)
板橋 孝幸 福島大学, 総合教育研究センター, 准教授 (00447210)
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Keywords | シチズンシップ / 市民性教育 / 多元的社会 / 社会科 / 公民科 |
Research Abstract |
本研究「多元的市民性と比較文化的視点に基づく我が国教育における「公民」性形成に関する研究」の特徴は、(1)多重な「公」という観点から日本における公民的資質形成を捉えなおし、国際的な観点から位置づけなおすことと、(2)これを国際的な発表の場で発信し、諸外国の研究者との議論の中でフィードバックすることにある。 本年度は、谷口およびパーメンターが、シドニー大学で開催されたシチズンシップの国際的な学会であるCitzEDの研究集会において発表を行うとともに、谷口か招待講演者としてモンゴルの研究機関に招聘され、五カ国の研究者とともにシンポジウムを行い、日本における公民的資質教育の展開と将来の発展性について発信した。また、谷口とパーメンターは、日本におけるシチズンシップに関してイギリスの出版社から出版されるシチズンシップのハンドブックに執筆を行った。さらに、谷口・吉村は、他の研究者とイギリスでの出版を予定しているCitizenship Education in Japan(仮題)において、谷口は"The Origin of Japanese Citizenship"と題して近代の日本の社会形成と公民的資質の関係について論じ、吉村は戦後の日本について論じている。 板橋、および申請時から研究協力してきた佐藤は、主に戦前期の日本の農村における市民性の形成や、大正期の中産階層を中心とした市民観の形成について研究を行い、それぞれ学会発表および著書の執筆を行った。 これらの成果を踏まえて、日本における公民的資質の多重性が、東アジア地域の特殊性に立脚するのか、それとも国際的な共通性で捉えられるのかをいくつかの視点から論じる分担研究の体制に入った。その成果の一部は、"Issues with Forming the Consensus of Citizenship education in Japan"と題する2008年度の国際学会で発表予定である。
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Research Products
(15 results)