2008 Fiscal Year Annual Research Report
世代間の技能伝承を中心に、地域の教育力をものづくり教育に定着させる題材の開発
Project/Area Number |
19530787
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
藤澤 英昭 Chiba University, 教育学部, 教授 (90173418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大河内 信夫 千葉大学, 教育学部, 教授 (40026620)
鈴木 隆司 千葉大学, 教育学部, 准教授 (30375597)
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Keywords | 世代間 / 地域 / ものづくり / 技能伝承 / 題材開発 |
Research Abstract |
刃物製作で独自の位置にある土佐の打ち刃物を現場に訪ね、情報収集した。それぞれの土地の鍛冶屋はその地域で必要とされる道具類を、材料の加工方法を工夫し、道具の形状と要求性能を満たしてきた。しかしながら生活-材料-加工の技術と技能という文化的な連鎖は限りなく衰弱している。製造業者としての鍛冶屋は基盤を失いかけている。そのような衰退傾向の中で千葉県ではその北総に残る羅紗鋏製作にかかわる数少ない技能伝承者である北島和男さんを中心に、むしろこのような文化連鎖を教えていくという立場に立って、社会教育施設での実習を試みている。主旨に協力して同氏の製作活動を詳細にみるために氏の工房を訪ね、全工程を映像に記録することができた。また同氏とともに千葉市内で代々にわたり刃物を専門的に扱ってきた販売業者と共同で、店舗の一部に鍛冶の工房をつくり、市内の小・中学生に地域に伝わる産業と卓越した技能を紹介している。この実践には学生も参加し、貴重な体験を得、学部の授業に設定されていると一体になってよりスムーズな展開に貢献した。一連の成果は新しいものづくり文化の息吹きが感じられるものである。これらの取材映像は本研究の骨格となる教材DVDの一部になる。 一方研究分担者である大河内教授は金属の磨きと金属の性格を学習する銅鏡製作を授業で取り上げているが、実際に京都に出向き、研修をし、その結果を授業に反映させている。 この授業では銅板や鋳込みの銅を使って銅鏡を作るのであるが、鏡面を得るために使う用具に馴れること、さらにいわば知恵の結晶としての金属加工、かつての生活のあり方にまで言及している。
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