2007 Fiscal Year Annual Research Report
日米の小・中学校における音楽科教員の実践的指導力に関する比較研究
Project/Area Number |
19530789
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
小川 昌文 Yokohama National University, 教育人間科学部, 教授 (30177141)
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Keywords | 音楽教師 / 実践的指導力 / 教員養成 |
Research Abstract |
平成19年度は研究初年度であり、日米における音楽教師に関するデータの収集と、実践場面におけるフィールドワークを中心に行った。まず、6月にはボストン大学の主催による「タングルウッドシンポジウム2」がマサチューセッツ州のウィリアムスカレッジで開催され、米国および世界の音楽教育研究者が集い、1週間音楽教育の将来について集中的な討議を行った。また、10月には米国のミシガン州のイーストランシングに調査および学会発表を行った。そこでは、5人の小学校を中心とした音楽の授業を学校を訪問して見学、観察することができた。また其の時に開催された国際シンポジウムNew Directions in Music Educationでは、我が国の音楽科教育のシステムと教員養成の実際について発表し、大きな反響を得ることができた。海外では、本年3月にインディアナとフロリダの調査を行い、それぞれ優れた音楽教師の音楽授業を観察することができた。また、ミシガン州立大学のKratsu教授、インディアナ大学のMay准教授、マイアミ大学のZdzinski准教授からは、それぞれの大学における音楽教員養成のカリキュラムおよび、力量形成の実際について詳細な説明をうけることができた。 一方国内では、19年度は、新潟市および浜松市の中学校におけるベテラン教員を中心に取材を行い、実践的指導力についてのそれぞれの考えや、授業における工夫、コツを中心にインタビューを行った。 米国、我が国どちらの教師も優れている点は、音楽の技術だけでなく、生徒や児童との接し方、モチベーションのあげ方、課題設定のタイミングや、評価の方法などであり、これらがどちらの国にも共通していることが新たに分かったことの一つである。しかし、学習者にどのような力量をつけさせ、また音楽の授業をとらえさせていくのかといった面ではやや顕著な違いが認められ、来年度(20年度)に取り組むべき課題のひとつであることが明らかになった。20年度は、これらの実績をふまえて、日米の比較を中心にさらに深く研究していく。
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Research Products
(2 results)