2009 Fiscal Year Annual Research Report
義務教育学校における理科教育でのキャリア教育プログラムの開発と実践・評価
Project/Area Number |
19530791
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
久保田 善彦 Joetsu University of Education, 大学院・学校教育研究科, 准教授 (90432103)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榎本 和生 多摩美術大学, 美術学部, 教授 (10407827)
西川 純 上越教育大学, 大学院・学校教育研究科, 教授 (80218130)
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Keywords | 理科教育 / キャリア教育 / 遠隔地教育 / CSCL |
Research Abstract |
IEAの国際数学・理科教育調査やPISA調査では,他国に比べ日本の学生は,理科学習を通して,現実の社会や生活への理解を深めたり,将来の生き方への関心を高めていない。そこで,理科教育におけるキャリア教育のあり方を研究した。平成19年度は,「理科学習の延長線上にあるキャリア理解」のために,社会人講師を活用した効果的な学習のあり方を研究した。 実践成果として,学習者の職業観・勤労観の理解促進が明らかになった。しかし,学習者が既習事項と職業の知識や知恵を結びつけることは容易ではないことが明らかになった。具体的には,学習者の知識レベルと社会人講師の知識レベルの差,それぞれの知識獲得における文脈のズレが原因であり,お互いを理解できないまま授業を進めることに,不安感を増大させていることも明らかになった。 そこで,平成20年度以降は,次の実践と評価を行った。(1)社会人講師に,事前に学習者の描いた学習内容の概念地図を渡し閲覧する。(2)職業に関連する知識を,学習者の概念地図上に付加する。(3)付加した概念地図をもとに授業展開を立案する。(4)担当教師の負担軽減のため遠隔地教育システム(CSCL)を導入する。(4)単元における講話の位置づけを変更する。これらによって,多くの学習者が既習事項と講話を結びつけ,理科の有用観を高めた。また,社会人講師は授業に対する不安の軽減が可能となった。 また,米国の教科書のおける科学者のコラムから,偉人としての科学者とともに職業としての科学者を取り扱う必要性が明らかになった。
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Research Products
(3 results)