2008 Fiscal Year Annual Research Report
行動・探究・意思決定を構成原理とした市民教育の教材開発・授業研究・教育評価研究
Project/Area Number |
19530806
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
岸本 実 Shiga University, 教育学部, 教授 (80249705)
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Keywords | 市民教育 / 授業研究 / 教育評価 |
Research Abstract |
中等前期レベルの「公民・社会政治教育」の教材と授業の研究を前年度に引き続き行い、探究や意思決定に加えて、行動という要素を明確に位置づけたシチズンシップ教育、すなわち、アクティブ・アプローチのカリキュラム構成原理を解明した。また、初等レベルの教材および中等後期レベルの教科・教材構成について分析を行い「行動する市民」の育成を理念とした教科構成とその教育評価の方法について検討を加えた。また中等後期レベルで開発中の新教科「政治と社会」の開発プロセスにおける議論を整理した。 さらに、国内外で展開されている人権教育の教材・学習プランについてもシチズンシップ教育との関連で検討を加えた。人権教育はシチズンシップ教育の重要な構成要素であるとともに、ユネスコや国際的なNGOによる教育論の提案と教材開発が進みグローバルな広がりを持つこと、また両者ともに市民として、そして自己と他者の人権を尊重する生き方に関わる教育であるという共通点を持つ。そこで、グローバルに流通している教材・学習プランの特徴と課題、日本の教育に活用する際の留意点を明らかにした。 さらに東アジアを視野に環境教育の分野も含めての教材・学習プランの検討に取り組んだ。具体的には国家環境保護模範都市推薦教材として中国の国家環境保護総局が編集した『環境教育』という教科書の分析を進めた。 また、滋賀県内の中学校の社会科研究会と共同して、教材開発、授業研究および関連テーマに関する中学生の論作文の検討を行った。
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