2007 Fiscal Year Annual Research Report
戦後小中学校音楽科教科書教材の変遷に関する包括的研究
Project/Area Number |
19530811
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
嶋田 由美 Wakayama University, 教育学部, 教授 (60249406)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阪井 恵 明星大学, 人文学部, 准教授 (00308082)
本多 佐保美 千葉大学, 教育学部, 准教授 (90272294)
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Keywords | 音楽科教科書 / 戦後音楽科教育 / 鑑賞教材 / 歌唱教材 / 諸民族の音楽 / 器楽教材 |
Research Abstract |
平成19年度は、研究者各自がこれまでに培ってきた各々の研究手法を使って、戦後出版された各社からの膨大な数の音楽科教科書教材の中から、戦後音楽科教育の変遷における各領域での特徴的な課題を抽出することを目的として資料収集を行った。同時に、関係する基礎的な文献や他教科の教科書変遷史に関する先行研究の検討も行い、本研究推進への示唆を得た。その結果、「歌唱」領域では、「夏は来ぬ」や合唱曲としての「星の世界」の扱いに戦後の歌唱教育の目的や指導方法の変遷が見られることが明らかとなり、平成20年度も引き続きこれらの曲を中心として研究を推進する。「器楽」の領域では、戦後、リード楽器を主とした器楽教育からリコーダー偏重の器楽教育に移行する過程に着目し、教科書教材の収集を行った。「基礎基本事項」に関しては、この項目に焦点が置かれていた時代に教材として分量の多かった「変奏」の扱いが、近年、減少傾向にあることが概観され、音楽科の学力低下問題との関係で考察する必要性が認められた。「鑑賞」及び「創作」領域については、対象を小学校に限定した上で、資料を収集し、特に鑑賞曲目のリスト化に着手した。また、同時代の研究書や啓蒙書が、選曲や指導法に与えている影響、鑑賞と創作の関連性に着目して研究を推進した。「諸民族の音楽」に関しては、平成19年度は中学校教科書に特化してデータベース作成を視野に入れた資料収集を行ったが、平成20年度にはこれらの資料を活用して、諸民族の音楽の領域が拡大していく様相を明らかにする。
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Research Products
(2 results)