2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19530818
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
柴 静子 Hiroshima University, 大学院・教育学研究科, 教授 (90141770)
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Keywords | 家庭総合 / 家庭基礎 / 戦後日本の生活改善体験 / ふれあい体験における絵本製作 / カンボジア / 教育映画「ぼくらのゆめ」 |
Research Abstract |
「日本の生活改善経験と途上国を結ぶ家庭科教育の創造」研究として,平成19年度は,戦後日本の教育経験であった「絵本や児童書を通してよき子ども文化をつくる」ことと途上国の子ども文化の改善を結ぶ授業実践を行い,効果を測定した。広島大学附属中・高等学校の「家庭総合」並びに附属福山中・高等学校の「家庭基礎」の保育の授業において,絵本製作学習の一環として,戦後日本の子ども文化と現在の発展途上国の子ども文化とを繋いで考えさせるという新しい内容を導入することによって,絵本の普遍的価値への理解を促すことが可能になるという仮説を立て,3新しい授業を実践した。実践者は前者が一ノ瀬孝恵教諭,後者が高橋美与子教諭であった。 カンボジアが端的な例だが,途上国の子どもたちは,保育や幼児教育の機会を充分に与えられておらず,また与えられているとしても,保育指導の理論・方法の欠如や保育環境上の問題から,成長発達を保証する質の高い教育を受けていない。このような事情は日本の敗戦直後との状況と極めて類似している。日本のかつての経験と途上国の現在を繋ぐ学習を絵本製作学習の中に位置づけようとする場合,どのように内容を構成すれば,日本文化の利点を理解し,また途上国の人々に共感して援助の気持ちをもつ将来の国際人の育成に寄与することができるのであろうか。この視角から,二つの附属高等学校において,絵本を通して日本の文化と発展途上国の子どもを理解する授業を構築・実践し,検証した。
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Research Products
(1 results)