2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19530818
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
柴 静子 Hiroshima University, 大学院・教育学研究科, 教授 (90141770)
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Keywords | 日本の生活改善経験 / 家庭科 / 途上国 / カリキュラム / ライフ・ストーリー / カンボジア / 学習指導案 |
Research Abstract |
平成20年度は,前年度に収集・整理された資料を考察し,戦後日本の生活改善運動の成果と家庭科教育の寄与について明らかにずるとともにホームプロジェクトや学校家庭クラブの現代的意義を明確にして,日本の歴史的遺産を発展途上国援助へと繋ぐ新しい家庭科教育の理論枠とカリキュラムを作成した。カリキュラムは小学校5学年から高等学校1学年用とし,各領域に渡る家庭科の学習指導案を作成した。 平成20年10月〜12月には,広島大学附属中・高等学校の「家庭総合」及び同附属福山中・高等学校の「家庭基礎」において,生活改善と途上国援助をリンクさせた授業を実施した。これらの授業をVTR録画し,分析を加え,また生徒へのアンケートを行うことによって効果を測定した。この授業は女子の興味を強く引くものとなったが,男子の反応がやや弱かったことから,ジェンダー・バイアスのかかりやすい内容であったことが判明した。とはいえ研究成果は,「『織りと衣が語る日本とカンボジアの女性たちのライフ・ストーリー』をテーマとした高等学校家庭科の授業構築」と題して,「広島大学学部・附属学校共同研究機構研究紀要第37号」に掲載され,新しい形の家庭科授業の提案となった。 今後は,大学での家庭科教員養成のための科目や教員免許更新講習会等において,この度の研究成果を生かして,家庭科の中で,日本の生活改善経験と途上国を結ぶ授業の構築が可能であり,また効果を上げ得ることを示して,この教科のもつ普遍的価値を高めたい。
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Research Products
(1 results)