2007 Fiscal Year Annual Research Report
社会的自立を促す高等学校道徳教育プログラムの開発に関する研究
Project/Area Number |
19530821
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
兼松 儀郎 Naruto University of Education, 学校教育学部, 教授 (00319443)
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Keywords | 社会的自立 / 高等学校 / 道徳教育 |
Research Abstract |
本研究は、社会的自立を促す高等学校道徳教育について、系統性のあるプログラムを開発することを目的とする。 研究初年度は、青少年の社会的自立に関する先行研究や実践事例を収集するとともに、高等学校における道徳教育の実態を把握するため、教育委員会、高等学校等の訪問調査を実施した。また、アメリカ合衆国における人格教育・価値教育等に関する調査を通じて、日本の道徳教育と比較・考察する視点を得ることができた。 本年度の研究によって明らかになったことは、次のとおりである。 1、社会的自立の概念は多面的性格を有し、本研究を遂行するためには、他者とのかかわり、社会とのかかわり、職業観・勤労観、アイデンティティ等、様々な観点からの考察が必要となる。2.道徳教育においては、児童生徒自身による道徳的価値の自覚とともに、人間として生きる上で大切な道徳的価値を教示することも重要であり、この両面から、発達段階を踏まえつつ、初等中等教育における道徳教育の系統性を検討する必要がある。3.高校生の社会的自立を促すには、小学生・中学生・高校生に社会の一員としての自覚を深めるような社会の仕組みが求められ、学校・家庭・地域社会の連携が重要となる。4.体験活動は社会的自立を促す上で有用であり、高等学校段階においては、その体験活動を振り返り、知的に考えを深めさせることが重要である。5.高等学校における道徳教育を充実させるには、日常の教育活動全体について、生き方の指導という視点からとらえなおすことが求められる。6.高等学校教育において生徒の社会的自立を促すには、道徳教育と教科指導とを連動させながら教育プログラムを開発する必要がある。
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Research Products
(1 results)