2007 Fiscal Year Annual Research Report
数理情報教育による数学恐怖症・PCアレルギーをなくす教員養成課程の学生の意識改革
Project/Area Number |
19530830
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
宮内 香織 Nagasaki University, 教育学部, 准教授 (00432964)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 裕介 早稲田大学, 人間科学学術院・人間情報科学科, 准教授 (20314891)
寺嶋 浩介 長崎大学, 教育学部, 准教授 (30367932)
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Keywords | 態度 / 数学 / 情報機器 / 協力活動 / 小学校教員養成課程 / 大学教育 |
Research Abstract |
本年度の研究の目的は下記の2点である:(1)小学校教員養成課程の大学生が数学、情報機器、協力活動に対する態度(主として自信と好み)の実態を明らかにすること;(2)そのような態度をより肯定的なものへと変容させることをねらいとした授業を実施し、その評価を行うこと。この目的に関連して、下記の授業の評価を行い、修正し、再度授業を実施した。なお本研究は、数学に対する態度変容のための方法として情報機器の活用を取り入れ、同時に情報機器に対する態度の変容も検討している点に特色がある。 ●情報機器操作と数学的処理・理解の2つから構成される授業 (ア)情報機器操作に関する授業では、Texas Instruments社製のグラフ電卓(TI-84Plus)と音波距離センサー(CBR2)を各班に1台ずつ渡し、見慣れない情報機器の使用方法や用途を班で協力して発見する活動が実施された。この活動を通して情報機器への肯定的な態度を促すこと、班員同士の協力活動を促すことをねらいとしていた。(イ)数学的処理・理解に関する授業では、授業の活動内容を示した手順書とワークシートに基づき、グラフ電卓と音波距離センサーを用いてグラフを再現する等の一連の活動が実施された。自らの身体を使ってグラフを作成し、その数学的な考察を行う活動を通して数学に対する理解を深め、肯定的な態度を促すこと等をねらいとしていた。 ●情報機器、数学、協力活動に対する態度についての実態調査 この調査は、それら態度の実態を明らかにすること、授業の前後でそのような熊度がより肯定的なものへと変容したかどうかを評価することをねらいとしていた。結論として、情報機器と数学に対する「好み」は否定的ではないが、その割に「自信」のなさを感じているという実態、協力活動に対しては肯定的に捉えているという実態が示された。また授業実践を通して、協力活動に対する態度のみ、より肯定的なものへと有意に変容した。さらに修正して再実施した授業実践を通して、数学や情報機器に対する「自信」「好み」についてもより肯定的なものへと有意に変容した。このことから、修正後の授業で取り入れた「自身の活動の振り返り」活動がこれら変容に影響を及ぼしたといえる。
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Research Products
(2 results)