2008 Fiscal Year Annual Research Report
数理情報教育による数学恐怖症・PCアレルギーをなくす教員養成課程の学生の意識改革
Project/Area Number |
19530830
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
宮内 香織 Nagasaki University, 教育学部, 准教授 (00432964)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺嶋 浩介 長崎大学, 教育学部, 准教授 (30367932)
森田 裕介 早稲田大学, 人間科学学術院人間情報科学科, 准教授 (20314891)
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Keywords | 数学 / 情報機器 / 態度変容 / 小学校教員養成課程 / 数学恐怖症 / コンピュータ不安 / イメージ / SD法 |
Research Abstract |
1.小学校教員養成課程の大学1年生の、数学や情報機器に対する態度をより肯定的なものへと変容させることを目的とした授業の実施および改善 (1)学生を3つのグループに分け、各グループに対して3回完結型の授業を実施した。授業は、(1)情報機器操作(約4名からなる各班にグラフ電卓(TI-84Plus)と音波距離センサーを1台ずつ渡し、これら見慣れない情報機器の使用方法や用途を班で協力して発見する活動)、(2)数学的処理・理解(自らの身体を使ってグラフを作成し、その数学的な考察を行う活動)、(3)活動の振り返り(教育工学および数学教育学の視点からの、一連の授業の振り返り活動)の3部構成であった。 (2)一連の授業を通した好ましい態度変容の要因として、「班員どうしの協力活動」に加えて、(前回調査時の授業からの改善策としての)「振り返り」活動が有効に働いたと言える。 2.授業前後での数学や情報機器に対する態度の変容を明らかにするための調査の実施・分析(分析対象は37名。いずれも、授業前・後の比較に基づく対応のあるt検定により分析。) (1)コンピュータについての意識調査 5段階評価尺度からなる「愛教大コンピュータ不安尺度」(平田,1990)を実施した。その結果、4つの項目に関して有意傾向または有意な差が示されたことから、授業前と比べてコンピュータ不安は軽減されたと言える。 (2)コンピュータおよび数学についてのイメージに関する調査 SD法による調査の結果、コンピュータに対しては「最先端の人工機器であるコンピュータとの心理的な距離が縮められ、自分たちからの働きかけに対して正確に堅実に応えてくれるもの」、数学に対しては「心理的な負担感の強さが緩和され、むしろ好ましいもの」というイメージを授業後に抱くようになったことが示された。
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