2007 Fiscal Year Annual Research Report
子供の成長過程におけるセルフケア能力育成プログラムと教材開発に関する研究
Project/Area Number |
19530836
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
野村 明美 Yokohama City University, 医学部, 准教授 (10290040)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚本 尚子 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (40283072)
青木 昭子 横浜市立大学, 附属病院, 准教授 (80315811)
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Keywords | 子供 / セルフケア / セルフケア育成 / 教材開発 |
Research Abstract |
本研究の目的は、子供が一生涯を健やかに過ごすために、子供の成長過程におけるセルフケア能力育成プログラムと教材開発を行い、実用化することである。本年度は、幼児期の教育プログラムと教材開発の第一段階として、保育園を対象に参与観察を実施し、3,4,5歳児のセルフケア行動の実態を明らかにすることを目的とした。今回は、感染予防の基本である手洗い行動に着目した。<方法>調査の承諾を得られた横浜市内のA保育園において、3、4、5歳児混合の3つのクラス合計約100名を対象に手洗い行動について参与観察を行った。園児には観察の目的を研究者および保育士から説明した。研究者は3つのクラスに分散して4名が観察にあたった。平成19年9月、各クラスの手洗い場を中心にして園児の手洗い行動を観察し、フィールドノートに記載し、カメラでの撮影を行った。<結果>手を洗う主な時は、トイレ後、外遊びの後、給食の前であった。手の洗い方は、流水だけで5秒以内での手洗いが多く、濡らすだけの園児もいた。一方で石鹸をつけて指の間、前腕まで丁寧に洗っている園児も少数いた。そのような洗い方をする園児は、複数の場面で同様な洗い方をしていた。またトイレの後や給食の前に手洗いをしない園児もいた。さらに手洗いの後、手を拭かない園児や洋服で拭く園児もいた。保育士は、配膳係の園児には手洗いの確認をしていたが、その他の園児への声かけ場面は観察範囲では見られなかった。<考察>3,4,5歳児では、手洗い行動に大きな個人差があった。丁寧な手洗い行動をする園児は複数の場面で同様の行動をとっていることから、介入しない状況下での園児の手洗い行動は、家庭での教育が影響していることが考えられる。今後は、園児を対象にしてセルフケア行動への積極的な教育的介入によって、セルフケア行動がどのように変化し、学童期のセルフケア行動へと結びついていくかの検証が課題である。
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Research Products
(1 results)