2009 Fiscal Year Annual Research Report
英国の市民性教育等の教科と日本の家庭科における環境教育の比較分析
Project/Area Number |
19530847
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Research Institution | Fukuoka Institute of Technology |
Principal Investigator |
井元 りえ Fukuoka Institute of Technology, 社会環境学部, 教授 (30412612)
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Keywords | 教育学 / 家庭科 / 環境教育 / 英国 / 比較教育 / デザインとテクノロジー / PSHE / 市民性教育 |
Research Abstract |
本研究は、英国の「デザインとテクノロジー」及び「PSHEと市民性教育」における環境教育の学習内容と学習方法を詳細に分析し、日本の小・中・高の家庭科における「消費生活と環境」の領域の学習内容と学習方法と比較することを通して、今後の日本の家庭科教育における環境教育のあり方を考察し、提案することを目的としている。 平成21年度の研究成果は以下の通りである。 6月の日本家庭科教育学会において、「英国の家庭科における環境教育の最近の動向」というテーマで発表を行った。主な研究結果は以下の通りである。 1.初等学校 デザインとテクノロジーにおいて、教師は、課題を作らせる際に、健康と安全の視点から、環境に配慮しながらふさわしい材料や道具を用い、計画を注意深く立てている。PSHEでは、調査した学校では、環境教育はあまり含まれてはいなかった。しかし、ナショナルカリキュラムにおいては、PSHEと他教科との関連について指摘があり、「地理」の内容と関連させて行うこととしている。また、学校全体としてエコスクール活動が行われている。これは、英国の特に初等学校全体に広がっている活動である。 2.中等学校 公立学校では、PSHEではテキストは使わず、学校集会の中で行ったり、学年ごとに年に3日まとめて行っていた。市民性教育(Citizenship)は週2回の授業を行っている。方法は、ビデオを用いて様々な学校生活や家庭生活における問題の解決方法について考えたり、議論したりしていた。 私立学校では、ナショナルカリキュラムに従わず、独自の教育がなされている。D&Tは、中学1年生の授業では、木工で車のデザインをする内容であった。また、高校3年生の授業は、生徒6名が1年間かけて一つの作品(椅子など)を作っていた。
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