2009 Fiscal Year Annual Research Report
児童生徒の社会的能力育成を目指すカリキュラム開発に関する研究
Project/Area Number |
19530853
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Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
名取 一好 National Institute for Educational Policy Research, 教育課程研究センター・基礎研究部, 総括研究官 (70026623)
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Keywords | 児童生徒 / 社会的能力 / カリキュラム / キャリア教育 / 体験学習 / サービスラーニング / コンテクステュアルラーニング / アメリカ合衆国 |
Research Abstract |
本研究は、わが国をはじめ、諸外国における児童生徒の社会的能力育成を軸としたカリキュラム開発の動向、これらの能力育成のための具体的な学習活動、カリキュラム上の位置づけ、課題等を様々な報告書の分析や現地調査を通して明らかにするとともに、わが国の学校教育における児童生徒の社会的能力育成のためのカリキュラム開発の視点を提供することを目的としている。 平成21年度の調査研究により、これまでの知見に加えて、以下のような結果が得られた。 1.最近の本研究に関連する文献等によると、児童生徒の社会的能力育成は、わが国のみならず先進諸国や近隣諸国においても学校教育における重要課題であり、様々な体験学習やキャリア教育などの場で多くの試みがなされ、多大な成果を上げていることが認められた。 2.アメリカ合衆国におけるサービスラーニングやコンテクステュアルラーニングは、多くの州で実施され、技術・職業教育の場のみならず、普通教育においてもその成果が様々な視点から報告されている。また、現地調査において、これらの学習法が、生徒たちの市民性や自尊心を培う上で極めて有効な学習であり、生徒の評価も高く、全米全体への普及も急速に進んでいることも認められた。 3.これまで、わが国においても、社会的能力育成の重要性は多くの教育関係者に認識されており、小学校における林業・農業体験学習、中学校におけるキャリア教育や技術・家庭科のものづくり学習などが行われ一定の成果をあげていることが認められたが、一部の地域や学校に限られ、これらの実践の広がりは見られないのが現状のようである。今後は、小学校から高校までのすべての学校段階で、サービスラーニングやコンテクステュアルラーニンクの手法などを取り入れたカリキュラムの開発が急務と思われる。
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