2007 Fiscal Year Annual Research Report
知的障害養護学校における新教科「流通・サービス」の学習活動と指導方法の構築
Project/Area Number |
19530865
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
渡辺 明広 Shizuoka University, 教育学部, 教授 (30310923)
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Keywords | 知的障害高等特別支援学校 / 特別支援学校高等部(知的障害) / 教科「流通・サービス」 / 教育課程 / 職業教育(作業学習) / キャリア発達 |
Research Abstract |
平成19年度の研究実績 現行の盲学校,聾学校及び養護学校高等部学習指導要領において,知的障害者を教育する養護学校(現在は特別支援学校)では,専門教育に関する教科(選択教科)として「流通・サービス」が新設された。新学習指導要領の実施から5年目を迎え,軽度の知的障害のある生徒を対象とする全国の高等特別支援学校,および職業学科や普通科に職業コースを設置している特別支援学校高等部70校について,「流通・サービス」を教育課程の中核とする学科やコースの設置の状況,教科「流通・サービス」の設置や領域や教科を合わせた作業学習の実施状況等についてのアンケート調査を行った(実施期間は2007年8月〜9月上旬。回収率は82.9%)。その結果,「流通・サービス」科や他の教科(「工業」「農業」「家政」)及び作業学習の中で「流通・サービス」のいずれかの分野(「販売」「清掃」など)をかなり取り入れて実施している学校は25校(43.1%)で,あまり実施していないと回答した学校も多かった。この他に,実施している学校については分野の選択、選定にあたり考慮すべきことの充足の程度やあまり実施していない学校についてはその理由等が明らかになった。 さらに,教科「流通・サービス」を積極的に実施している,特色ある10校については,学校訪問を行い,関係文書の蒐集や聞き取り,授業参観を行い,職業教育についての詳細な状況を把握した。その結果,専門教科の履修状況は様々であるが,職業教育の実施状況について,(1)従来設置する「工業」「農業」「家政」に,「流通・サービス」のいずれかの分野を加えて履修する学校,(2)新設の「流通・サービス」のいずれか1つの分野,あるいは複数の分野を中心に履修する学校,などの類型が見出された。この結果について,障害の特性に基づくキャリア発達の視点から考察を行った。
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