2008 Fiscal Year Annual Research Report
知的障害養護学校における新教科「流通・サービス」の学習活動と指導方法の構築
Project/Area Number |
19530865
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
渡辺 明広 Shizuoka University, 教育学部, 教授 (30310923)
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Keywords | 知的障害高等特別支援学校 / 特別支援学校高等部(知的障害) / 職業教育(作業学習) / 教科「流通・サービス」 / セルフマネージメント / 職業リハビリテーション / トータルパッケージ |
Research Abstract |
本研究は、平成19年度に実施した全国の職業教育を重視する知的障害高等特別支援学校(特別支援学校高等部)70校における教科「流通・サービス」の実施状況についての調査研究、及び「流通・サービス」の実践指導を先進的に進める学校への聞き取り調査を実施したことに引き続いて行った。 「流通・サービス」の学習(作業)活動の遂行にあたっては、必要な判断力やセルフマネージメント、及びコミュニケーション能力が課題であることが少なくない。平成17年度から3校の特別支援学校においては、学級指導や数学、自立活動、作業学習などで障害者職業総合センター(障害者支援部門)による「職場適応促進のためのトータルパッケージ」を認知の障害である軽度発達障害や知的障害の生徒へ適用し、その可能性が実証されている。トータルパッケージの主要な入力系ツールであるワークサンプル幕張版(MWS)は、OA作業5課題、事務作業4課題、実務作業4課題の全13課題によって構成されているが、「流通・サービス」の「商品管理」や「事務」の学習活動としても活用が期待できる。そこで特別支援学校3校による、各種の研究実践報告の蒐集と当該学校への聞き取り調査を行い、トータルパッケージを活用した教科「職業」や作業学習における「流通・サービス」(「商品管理」、「事務」)の学習内容(課題)を抽出、精選することを試み、教科の学習内容の構築に向けて検討した。その結果、「流通・サービス」(「商品管理」、「事務」)の学習内容の構築に向けての標準化されたワークサンプルの活用や、その指導(支援)にあたっての職業リハビリテーション技法の導入は、特別支援学校における職業教育(作業学習)を活性化させ、学習内容の選定や改善、セルフマネージメントスキルを目指した支援のあり方に大きな示唆を与えると考える。
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