2008 Fiscal Year Annual Research Report
読み書き障害児における視知覚機能評価法の開発と指導法の確立
Project/Area Number |
19530878
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Research Institution | Sakushin Gakuin University |
Principal Investigator |
松本 秀彦 Sakushin Gakuin University, 人間文化学部, 准教授 (70348093)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
諸冨 隆 作新学院大学, 人間文化学部, 教授 (60003951)
服部 美佳子 作新学院大学, 人間文化学部, 教授 (70438737)
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Keywords | 教育系心理学 / 生理心理学 / 読み書き障害 / 視覚認知機能 / 定常視覚誘発電位 |
Research Abstract |
調査:視知覚機能評価に関する技法についての心理学、医学、生理心理学領域にわたる資料収集(初年度平成19年度)に基づいて、読み書き障害原因諸説と照らし機能評価法の妥当性について検討を行った。漢字の読み書きの問題は、漢字使用圏における比較的独自性の高いものであること、また形態認知の特異性によるものではあるが、聴覚的能力の弱さによるものであることも指摘されており、総合的な知覚能力の評価を見据えた認知機能評価法開発が望まれる。 視覚機能評価:視知覚処理の初期過程の潜在的特性を明らかにできるパターンリバーサルSSVEP測定システムによって、学齢期(小学生)を対象とした実験を行った。また、課題遂行の負担軽減方法の一つとして脳波能動電極を導入し、従来の電極と能動電極とのデータ整合性の検討を開始した。さらに、視覚刺激単独提示を改良してビデオオーバーラップ刺激事態に改変については刺激提示について開発に着手した。これら課題遂行上の児童の負担軽減法は、学習の困難のある児童における脳活動の評価において心理的抵抗を低減し、正確かつ短時間な検査実施を可能とするものとして意義があるものと考えている。 漢字の読み書きに関する指導:服部により、WISG-III、K-ABC等による知能検査のプロフィールに基づいた学習教材、学習形式を個々に開発し指導が行われた。その際、視知覚機能のみならず音韻の問題が関与することが指摘され、本研究の定常性視覚誘発電位に加えた中枢指標の必要性が課題としてあげられた。聴覚性の中枢指標である聴覚誘発電位(AEP)による評価検討も今後検討の必要があろう。 平成21年度に学会発表および論文として発表準備を行っている。
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Research Products
(3 results)